Cucina Italiana

クチーナ・イタリアーナ(イタリアの台所)
第10号

「アリッチャのポルケッタ」

はじめに




 クチーナ・イタリアーナについて、コメントをいただくと、自分でも気付かされることが多いです。そこでMidoromaさんと巡るアリッチャの子豚の丸焼きPorchetta(ポルケッタ)のお話をしてコメントにお答えすることにしました。
 
ポルケッタツアーもあるMidoromaさんの観光ツアー
http://www.ivc-net.co.jp/guide/rome/oneesama.html


「紹介している現地の店が不便な場所や高級店ばかりで……」
 最近、クチーナ・イタリアーナ(イタリアの台所)の内容について、鎌倉で人気リストランテ「りんでんばうむ」の店主で、現在は料理研究家として活躍されている長谷川恒代様に、発刊した各号、今後の予定号を見ていただき、様々な辛口のコメントをいただきました。その中で自分でも、当然と思って気付いていなかったことです。

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イタリアのレストラン事情
 なるほど。。。。そうなんです。まずもって、ヨーロッパ全体でもそうだと思いますが、イタリアのおいしい店は郊外にあります。例えばミシェランの三つ星レストランはイタリアには8軒ありますが、観光客が行きやすいのは、ローマのペラゴラとフィレンツェのエノテカピンキオーリだけで、あとは不便な郊外です。ローマのイタリア人が行くのは、シーフードだったら都心から40km位はなれた空港近くのフィウミチーノという漁港になります。弊社ではレストランの予約を承っているのですが、一番困るのが、ローマ市内で手頃でおいしいシーフードを紹介して欲しいというリクエストです。まずもって、日本と異なりシーフードは高級料理で、肉料理より値段が高いのです。しかも新鮮な魚介類は一部の高級店にしか置いていません。さらに高級店のシーフードは、フレンチ風の手の込んだもので、素材の味をダイレクトに活かすイタリア料理と少々違ったものになっています。


ローマの庶民が行くフラスケッタ「da Vignarolo」の店内

 次に高級店ばかりは言い訳になります。弊社では高級店だけでなく、イタリア人の庶民の行く店等もホームページで紹介し、あわせて予約を承っております。しかし予約のご依頼の8割以上がセレブや観光客向けのイタリアで10軒にも満たない都会にあるミシェランの星付きレストラン=高級店なのです。しかも三つ星のペラゴラとエノテカピンキオーリがダントツに多いです。観光の日本の方は一面このようなレストランを経験されてみたいのだということだと思います。
 それといい店紹介してと言われるとやはり、ローマならエデンのテラス、フィレンツェならサンタ・エリザベッタを紹介してしまいます。ミシェランの星付き、高級店です。70、80ユーロとこの種の店では比較的お手頃の料金になっています。若干イタリア料理と異なるのですが、ダメだしされたことは無く、おいしい店紹介してもらってありがとうと言われます。無難なんです。
 本当はローマなら臓物料理のペコリーノ、フィレンツェならTボーンステーキのカンビを紹介したいところです。臓物料理というだけで断る日本の方は多いですし、高級店のような雰囲気はありません。こんな店でも50ユーロするので、お勧めすることを躊躇するのです。
 
ペコリーノ→http://www.ivc-net.co.jp/restaurant/pecorino/bossanna.html
 
 地元のイタリア人が行くレストランの中には、店内の席が屋台みたいで、料理がプラスチックのボールで出てきたりするレストランがあるので、確かに雰囲気で飲まれてしまい、味わえない店もあります。いわゆる観光のいい想い出にはなりにくいです。高級店はそれにふさわしい雰囲気やサービスがあるのです。ここがイタリアでは大衆店との大きな違いなのです。


バスの停留所

 クチーナ・イタリアーナでは、庶民の行く郊外のおいしい店には、イタリアの食の原点の一つがあると思っています。例えばローマの庶民に人気の子豚の丸焼きPorchetta(ポルケッタ)の街・アリッチャへは地下鉄A線の終着駅アナニーナからベッレトリ行きの郊外都市を結ぶ中距離バスで、40分ほどで行くことが出来ます。本数も多く、片道2.2ユーロと大変便利です。ただ、停車場のアナウンスが無く、急行は停留所を飛ばすこともあり,イタリア語が出来て、周りの人や運転手とコミュニケーションできないと思ったバス停でおりることは出来ません。
 第一、停留所も判らないと思います。よほど冒険心に富み、困難にあってもめげずに図々しく片言で聞き、片言の答えを解読できる精神をお持ちの方なら、問題ないですが、バスは一般の日本人観光客向きでないのです。


アリッチャの街の入口の門

 

アリッチャのポルケッタ


 イタリアのどの地域でもそうなのですが、美味しいワインの産地=おいしい食事の出来る場所、といった相関関係があります。その地域の食事に合わせてワインが作られているからです。カスッテッリ・ロマーニ地域の名物は「フラスケッタ」と呼ばれる店、昔はテーブルと長椅子があって、客は家からパスタを入れた鍋をもってきてワインとパンを店で買って飲み食いしたワインを売る店だったのです。今はそれがトラットリアやオステリアになっています。写真の「da Vignarolo」も昔の雰囲気が残っているということです。

 その中でも、カステッリ・ロマーニにあるアリッチャの名物は子豚の丸焼きPorchetta(ポルケッタ)です。アッリッチャへ行くとは、ローマの人々に取ってポルケッタを食べにいくと同意語です。アッリッチャに行くと、ここそこにポルケッタという看板を見ることが出来ます。アッリッチャに来たら、ポルケッタを食べない訳にはいかないのです。

 行ったのはここ、Antico Grottino、古い小さな洞窟、というのがその名前です。「da Vignarolo」より今風です。
 もともとはワインの量り売りをしていた所。「ローマのワイン貯蔵庫」の町にたくさんあったオステリアなのです。ワインの味見をするついでに、おつまみを出し、それが段々メインになって行ったわけ。


どこの店も飾ってる白黒写真。オーナーのおかあさん?

 まず、ここ名物の赤ワイン「ロマネッロ」やや甘口で発泡。ぐびぐびいけちゃいます。

 左から腸詰めを干したサラミ、豚の干し肉、チーズ、唐辛子入りチーズ、ポルケッタ、アリッチャ7つの街の一つジェンツァーノのパン。
 ポルケッタは焼き具合がちょうどよくて、やわらかくみずみずしい。でも皮がパリパリ。

 下から、ロンザ、ミラノ風サラミ、生ハム。
 ここまでは、出来合いをスライスしただけだ。でも材料が良い。お客さんが来てからスライスするので柔らかい。

 ジェンツアーノのパン。
 このパンは、ジェンツァーノの特産品です。軟質の小麦粉、水、天然酵母、塩)と、いわゆる天然酵母パンですが、良質の小麦と水、そして適した風土から、独特の美味しさが生まれたようです。
 皮がパリパリで白い部分は程よく湿気が含んでいて、柔らかい。小麦の香ばしさが美味しい。

 煮豆のサラダ
 セロリの細かいスライスと和える。

 チコリ、ジャガイモのサラダ
 チコリは茹でて、ニンニクと唐辛子を入れてフライパンで炒めなおす。 ジャガイモは茹でて、つぶして塩とオリーブオイルで味付け。シンプルだけど、ジャガイモが美味しいから美味しかった。


水牛のモッツァレラチーズ

アマトリチャーナ・パスタ

 


ビスケット

甘口赤ワインに浸して食べるのが正道です

 


これは欠かせない、エスプレッソ

 これで一人17ユーロ。お腹いっぱい!!パスタはそこそこだったけど、他が美味しかったので許す。
 次回はむしろ、パスタ無しで、前菜ばかり食べれば満足度が増すと思いました。
 
Antico Grottino
Piazza di Corte, 15 Arriccia
tel.: 06-89363364
 
ワイン・ポルケッタツアーもあるMidoromaさんの観光ツアー
http://www.ivc-net.co.jp/guide/rome/oneesama.html


ポルケッタ

 

次回予告


 イタリアでは年中お祭りやお祝いがあります。イタリア人に取って、お祝いの日=ごちそうの日なのです。次回は、イタリアの春夏のお祝いと、それにつきもののお食事の主なものをご紹介します。
 
ポルケッタツアーもあるMidoromaさんの観光ツアー
http://www.ivc-net.co.jp/guide/rome/oneesama.html
 
協力者の紹介と1号から10号の刊行内容
http://www.ivc-net.co.jp/food/mailmaga/2016/publish.html
 
11号から20号の刊行予定
http://www.ivc-net.co.jp/food/mailmaga/2016/publish2.html
 
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