Cucina Italiana

クチーナ・イタリアーナ(イタリアの台所)
第19号

ヴェネチアMETのメニューとイチゴのリゾット

はじめに



 18号のイタリアのレストラン事情で、イタリアでもトレンドとして伝統料理が廃れていると報告しました。しかしだからと言って、流行りの星付きのレストランのシェフが伝統料理の技量を持っていない訳ではありません。
 
 ヴェネチアの1つ星レストラン、ホテル・メトロポールのメインダイニングMETでは、観光客のお客様のご要望に応えて北イタリアを中心とした伝統料理を提供しています。第19回はヴェネチアのMETのメニューと、春らしくフィレンツェのフード・コーディネータ中島洋子さんから提供された苺のリゾットのレシピご紹介します。
 
レストランのメニュー
http://www.ivc-net.co.jp/restaurant/menu/index.html
 
協力者の紹介と1号から10号の刊行内容
http://www.ivc-net.co.jp/food/mailmaga/2016/publish.html
 
11号から30号の刊行予定
http://www.ivc-net.co.jp/food/mailmaga/2016/publish2.html

 

ヴェネチアのMETの伝統料理のメニュー


 ヴェネチアの1つ星レストラン、ホテル・メトロポールのメインダイニングMETはオリジナル料理+見た目の美しさを追求しています。だからと言って、決してヌーベル・キュイジーヌ風に偏った訳ではなく、海外からのお客様などの要望に応えて、ベネチアを中心とした伝統料理を提供します。伝統料理とは言いながら、日本の皆さんにはあまり親しみのない逸品です。
 
 ミシェランの星付きレストランとは言え、創作料理だけでなく伝統料理を出すところがその自信を伺わせます。創作料理は重視しても、いつでも伝統料理を出すことが出来ると言ったものが高級レストランの矜持を伺わせます。
 その一方、海外から観光のお客様はミシェランの星付きを目安とする、しかしイタリア的な料理を期待するからレストランも伝統料理をおろそかに出来ない。これもイタリアの高級レストランの1つの流れと言えるかも知れません。

春のお試しコース:6皿160ユーロ(飲物別)

<クモガニのベネツィア風(Granseola alla veneziana)>
 伝統的なベネツィア料理の一つ。ドゥカーレ(ベネツィア共和国総督)時代から様々な料理法が成されてきましたが、レストランでは尤もシンプルな形で提供します。クモガニは茹でて、サラダと一緒にオリーブオイルとレモンで召し上がっていただきます。
 
<リングイーネのペースト(Linguine al pesto)>
 バジルと松の実で作るペーストはイタリアのソースの中でも最も有名なものです。ペーストが生まれたリグリア地方のオリジナル・レシピではこの他に二つの重要な素材が含まれます。ジャガイモといんげん豆です。伝統的で豊かな味と新鮮さの一品です。
 
<バッカラとひよこ豆のローズマリー風味(Baccal e ceci al rosmarino)>
 歴史的なトスカーナ地方の一品を厳選されたバッカラ(タラの塩漬け)にチチェラーレ特産のひよこ豆のローズマリー風味を添え、エキストラヴァージンオリーブオイルを一筋かけて召し上がっていただきます。
 
<パルメザンチーズとバルサミコ>
 
<前デザート>
 
<プロフィッテロ ロイヤル>
 カテリーナ・メディチ付きのシェフが考案したトスカーナのお菓子。クリームを包んだシューに苦いカカオクリームで包み、アンティル諸島のラムをふりかけます。

 

苺のリゾット

 

 フィレンツェのコーディネータ中島洋子さんが通訳のお仕事でミラノに行かれた時に、お客様と話が弾んでイタリアのイチゴのリゾットの話になり、レシピを提供させていただきました。何とも春らしいインパクトのある一皿なので、皆さんにもご紹介することにしました。
 
<材料:4人分>
米:400g     バター:30g   エシャロット:1個
すりおろしたパルメザンチーズ:60g  苺:350g
野菜のブロード:1リットル  生クリーム:大さじ3杯
キルシュまたは白ワイン:80ml 塩、胡椒:少々
 
<作り方>
1.苺を洗い、細かく切り刻みます。エシャロットは細かい微塵切りにします。
2.野菜のコンソメブイヨンを1リットルのお湯に溶かしたものを煮立たせます。
3.鍋にバターを溶かし、エシャロットを透き通るまで炒めます。
4.250gの苺を加え弱火で10分煮てクリーム状になるまで煮詰めます
5.米を加えて軽く炒めたら、好みでキルシュを加え、お玉で2杯分の野菜のブロードを入れます。
6.米が汁気を吸ったら、お玉でブロードを加え、米を固めのアルデンテに煮ます。
7.残りの苺を加えてさらに5分、そっとかき混ぜながら煮ます。
8.火を止めて、生クリーム、パルメザンチーズを入れ、塩で味を調えます。
9.蓋をして2分間置き、お皿に盛りつけます。
 
 
☆リゾットはアルデンテに仕上げます。
☆香り付けのために好みでキルシュまたは白ワイン80mlを入れます。
 
中島さんのフィレンツェで1日だけ料理教室

→http://www.ivc-net.co.jp/food/toscana/lesson.html

 

次回予告


 5月の終わりになるとトマトが並び始めます。夏の季節の始まりです。次回はトマトの季節の始まりと、イタリア夏の定番メニューのトマトご飯をご紹介します。
 
協力者の紹介と1号から10号の刊行内容
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11号から30号の刊行予定
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発行


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