Cucina Italiana

クチーナ・イタリアーナ(イタリアの台所)
第22号

セントレジスのカチオと胡椒のパスタ

はじめに



 イタリアンビデオコレクションでは、イタリアのレストランの予約を承っております。この3月に、旅の想い出にローマで格式のあるレストランで、地元料理を食べたいとのご夫婦のリクエストをいただきました。その時、メニューの作成も承りました。
 
 このリクエストに応えて,弊社のMidoromaさんが5つ星ホテルのセントレジスのメインダイニングをレストランを選び、メニューを作成致しました。これは一見、難しく見えないのですが、実は現在のローマではなかなかハードルの高いリクエストだったのです。格式のあるレストランで、地元料理を出すところが少なくなっているのです。
 
 現在のイタリアの高級レストランは、ミシェラン方式のシェフ主体のオリジナル料理が流れとなっています。そのため見た目も美しく、こった料理がイタリアでも好まれるようになっており、その分、高級レストランで伝統料理を出すところが少なくなっているのです。
 
 今まで,ローマで高級な雰囲気のある地元料理とのリクエストの場合,ケッキーノ・ダル・1887をご紹介すれば完璧でした。ところが、このケッキーノの味が落ちており、昨年、Midoromaさんがお客様をご案内したおりは、味が落ちた上にお客がほとんどおらず,サービスも低下していました。時代のはやり廃りを感じたとのことでした。
 
 第22回はこの時作成したメニューと、その中で光っていたカチオと胡椒のパスタを紹介します。
 
協力者の紹介と1号から10号の刊行内容
http://www.ivc-net.co.jp/food/mailmaga/2016/publish.html
 
11号から30号の刊行予定
http://www.ivc-net.co.jp/food/mailmaga/2016/publish2.html

 

セントレジスのメインダイニングのお薦めメニュー


 Midoromaさんがメニューにローマの伝統料理が残っている高級レストランを見つけ出しました。5つ星ホテルのセントレジスのメインダイニングです。そこでMidoromaさんがお客様ご夫婦の為に作ったのが、次の肉のメニューです。本当は、肉と魚それぞれのメニューにしたいところなのですが、格式あるところでお皿のシェアーはルール違反となることから、ご夫婦で料理の中身を語り合うことが出来るように同じメニューにしました。
 
<antipasto 前菜>
牛肉のカルパッチョ。いんげん豆とパンとポテトのチップス添え(20ユーロ)
(生肉がダメな場合)
生ハムとメロンとパルメザンのフロス(26ユーロ)
<primo 第一の皿(炭水化物)>
カチオ(ローマ産の羊のチーズ)と胡椒とローマ産ブロッコリの小さいマカロニとクランブル(22ユーロ)
<secondo 第二の皿(タンパク質)>
サルビア風味の仔牛のメダル型、エンダイブのはちみつ風味、ズッキーネのパルミジャーナ(ズッキーネ で作るラザーニャ風の料理)(30ユーロ)
<dolce デザート>
シチリア風筒型菓子、ピスタチオのクリーム入り(15ユーロ)
(さっぱりしたい場合)
キウイといちごのシャーベット、クランベリーのソースかけ(15ユーロ)

 

カチオと胡椒(cacio e pepe)のパスタ


 特にこの中で注目したのが、カチオと胡椒(cacio e pepe)のパスタです。
 ローマは古くから羊の放牧をしてますので羊関係の食品はローマの伝統料理となっています。そもそもローマを建国したロムルスもパラティーノの丘を居住地にして羊の放牧で生活していた部族の長であったろうと言われています。その中の「pecorino romano」(ローマ風羊乳チーズ)を別名Cacioと言い、このチーズの美味しさで食べるパスタがcacio e pepeです。風味が高く、胡椒でピリッと締めます。
 
 ゆでたパスタに削ったCacioを混ぜて胡椒を上からかけるだけの簡単料理でもあります。
 ただ、どんな料理にもコツが有り、削ったCacioを器に入れ、これにほぼ常温に近い水を適量いれて混ぜてクリーム状にしたものを使うと、パスタの熱があってもまんべんなくよく絡みます。クリーム状にするのにお湯を使うと一瞬溶けますが温度が下がると固まりになってしまいます。良いパスタは、新米だとそれだけで美味しいのと同様に、ゆでただけでも美味しいのですが、そういうパスタを使うとさらに美味しさが増します。
 
 これを高級レストランで出すということは、余程シェフに自信が無ければ出せるものではありません。これを聞いただけで,内容のすごさを感じさせる逸品です。Midoromaさんもローマ産ブロッコリーも加え、ローマを押し出しつつ高級にアレンジというシェフの考え方にすごく共鳴するそうです。
 
 パスタはmaccheronciniという小さなマカロニのパスタを使っています。伝統的には小さなマカロニはコールドパスタ、豆と合わせた汁気の多いパスタ料理に合わせます。大きさとの割合で壁が厚くなるので、水分の多い具、ソースにいれてもへなへなになりにくいわけです。
 最近の「シェフの料理」では、伝統的なパスタの選択をわざと外して、このように新たな食感を狙うケースが目立ちます。そんな工夫もされているということです。

 

 もしローマに行かれる機会があったら、セントレジスホテルを是非お試しください。
 このホテルは、BARでコーヒーが1杯10ユーロします。普通のBARでは1ユーロです。ですから馬鹿高いと言えます。
 でも、豪華なテーブル、豪奢なカップ、銀のスプーン、慇懃な物腰の給仕にサービスされて10ユーロで貴族気分を味わえます。それに見合ったものがあると言うことです。
 
イタリアのレストランのメニュー
http://www.ivc-net.co.jp/restaurant/menu/index.html

 

次回予告


 次回はイタリアのハッピーアワーのアペリティーボと、ヤマネさんのレシピ:簡単おいしい、塩漬け鱈(バッカラ)のパスタを紹介を致します。
 
協力者の紹介と1号から10号の刊行内容
http://www.ivc-net.co.jp/food/mailmaga/2016/publish.html
 
11号から30号の刊行予定
http://www.ivc-net.co.jp/food/mailmaga/2016/publish2.html
 
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