Cucina Italiana

クチーナ・イタリアーナ(イタリアの台所)
第25号

「ナポリのNo.1ピッツァイオーロの店/
ピッツァのメニュー/ナポリで学んだ方のお店」

はじめに



 イタリアでは、おしゃべりなイタリア人がピッツァを食べる時だけは、沈黙してひたすら食べ続けると言われています。もちろんおいしさに感動している場合もあるのでしょうが、ピッツァは熱いうちに食べないとおいしくないからということです。
 
 おいしいピッツァは食べるタイミングだけでなく、生地、ベースとなるソース、オリーブオイル、トッピング、焼き加減といったものが調和して、初めて味わうことの出来きます。材料が同じでも、出来上がったピッツァが全然違うのはこのためです。このハーモニー(調和)を奏でるのがピッツァイオーロ(ピッツァ職人)ということになります。
 
 第25回は、ナポリのNo.1ピッツァイオーロ、エンツォ・コッチャさんのお店「La Notizia」のご紹介とそのメニュー、またコッチャさんのところで学んで、日本でピッツェリア(ピザ店)を営まれている方のお店を紹介します。
 これをご覧いただくと、本場のナポリピッツァはどれだけ食材にこだわったものかご理解いただけると思います。
 
コッチャさんのピッツァ職人養成講座
http://www.ivc-net.co.jp/pizza/index.html
 
協力者の紹介と1号から10号の刊行内容
http://www.ivc-net.co.jp/food/mailmaga/2016/publish.html
 
11号から30号の刊行予定
http://www.ivc-net.co.jp/food/mailmaga/2016/publish2.html

 

伝統的なピッツァを追求した「La Notizia53」/
ピッツァの創造実験室「La Notizia94」/
O Sfizio d’a Notizia(ノティツィアの気まぐれ)



 ナポリの街の中心部から車で20分ほど離れたカラバッジオ通りにピッツェリアLa Notiziaがあります。いつも混み合うこのお店は、ナポリのNo.1ピッツァイオーロ(職人)と言われ、イタリアで初めてミシェランの星を獲得したマスターピッツァ職人・エンツォ・コッチャさんが開いたピッツェリアなのです。
 
 ここでは、カプート社の小麦粉を使い、職人技で練り込まれ、発酵させてあるピッツァ生地が、いつでも名匠ステファノ・フェラーラの手による伝統的なレンガ造りの薪釜で焼くことができるように最適な温度で準備されています。食材の品質と組合わせが独特の味を産み出すことから、ピッツァのベースとなるトマトソースからトッピングに至るまで、食材は生産地、生産方法にまでこだわった厳選されたものが選ばれています。例えばトマトソース、オリーブオイル、モッツァレッラ・チーズは次のものが選ばれています。
・欧州連合によるProtected Designation of Origin (PDO)(保護食材)基準を満たした地中海産のサン・マルツァーノ種から、塩とバジルの葉によって作られたトマトソース
・ソレントの農民の永年の経験と油作りの技術から作られたエキストラ・ヴァージン・オリーブ・オイル
・カンパニア州の特定農場で伝統的な手作り手法により作られる水牛のモッツァレッラ・チーズ
 
 コッチャさんは、ピッツァは各種食材の供給者とピッツァ職人の大きなチームワークによって産み出されるものと考えており、伝統や環境を尊重し品質向上を図る食材の供給者に対して常に感謝しています。また、バックヤードのテーブルをピッツァの実験室と呼んでいるように、常に職人同士で成分の新しい組合せ、味、色と香りと言ったものを検討しています。これは、新しい味覚の発見だけでなく伝統的なマルゲリータやマリナラの味覚の向上にも役立てています。
 
 コッチャさんのピッツェリアは、伝統的なピッツァを追求した「La Notizia53」とピッツァの創造実験室「La Notizia94」そして2016年の3月に開店した「O Sfizio d’a Notizia」の3軒があります。
 「La Notizia53」は、ナポリの人々が最も親しみを感じ、幸せにさせるナポリの”ソウル・プレイス”です。ここではナポリの人々に古くから親しまれているピッツァを、伝統的技法を忠実に守りながら、よりおいしいものとしてお客様に提供しています。 例えば、古くからナポリの庶民に親しまれていたMurzillo Saporitoといったように、文字通り「おいしい一口」、一口で飲み込むことの出来る小さなピッツァも用意されています。
La Notizia53
 住所:Via Caravaggio 53 , Napoli
 電話:081 714 21 55
 19:30am-00:30am、月曜休み
http://www.ivc-net.co.jp/food/pizza/notizia53.html
 
 「La Notizia94」は新しい味覚を生み出すクリェイティブな実験室です。伝統的なピッツァ・マルゲリータやマリナラの改良を進めるだけでなく、これまでピッツァで使われていなかった食材の利用にも積極的にチャレンジしています。このような中で産み出されたのがソラマメとアスパラガスによるピッツァ、ナスとミントによるピッツァ、トリュフを加えたピッツァといったものです。最後のドルチェではダークチョコレートが詰め込まれたサルティンボッカが用意されています。この創造実験室は、ミシェランガイドの星が与えられた初めてのピッツェリアとなっています。
La Notizia94
 住所:Via Caravaggio 94 , Napoli
 電話:081 19 53 19 37
http://www.ivc-net.co.jp/food/pizza/notizia94.html
 
 「O Sfizio d’a Notizia(ノティツィアの気まぐれ)」はこだわりのファストフードをレストランで食べられる店にした実験店です。こちらのお店のメインは、フライピザ(ピッツァ・フリッタ)とこれにこだわりのパンを使ったボリュームたっぷりのパニーノです。そして「泡」つまりスプマンテや発泡ワインにこだわっています。ワンポーションのデザートもあります。入口にプルチネッラ人形が置いてあるように、大変気まぐれなお店です。
O Sfizio d’a Notizia
 住所:Via Caravaggio 51 , Napoli
 電話:081 714 83 25
http://www.ivc-net.co.jp/food/pizza/sfizio.html
 
コッチャさんのお店La Notizia→http://www.ivc-net.co.jp/pizza/notizia.html  19:30am-00:30am、日曜休み、要予約

 

La Notizia53のピッツァ・メニュー


Margherita
 世界のイタリア料理のアイコンとしてクラッシックなマルゲリータ・ピッツァ。よりはっきりした味にするため、牛乳ではなく水牛のモッツァレッラチーズが使われています。
 
食材:サン・マルツァーノのトマト、水牛のモッツァレッラチーズ、バジル、エキストラヴァージン・オリーブオイル、ペコリーノチーズ

Pizza San Gennaro
 3つの「個性」の完全な組合せと、色と香りを生かして、かつてのピッツァの味を再現しました。
 
食材:お尻がとがったタイプの皮がしっかりしたプチトマト・黄色いピエンノロ、オルガノ、アンチョビ、黒オリーブ、パセリ、バジル、エキストラヴァージン・オリーブオイル、ニンニク

Murzillo Saporito
 文字通り「おいしい一口」、前菜として食べます。たいへんな味覚で、ほとんど一口でのみこまないことが必要です。
 
食材:ペコリーノチーズ、豚の腹肉、胡椒

PIZZA DEL CONTADINO
 2枚の層の生地の間で蒸されて 、完全にバランスのよい成分と混じりあったエスカロール(キク科の野菜)の味は、わずかにビターです 。
 
食材:エスカロール、ペコリーノチーズ、エキストラヴァージン・オリーブオイル、アンチョビ、オリーブ、水牛のモッツァレッラチーズの薫製

Ripieno con Cigoli
 クリーム状のリコッタチーズの変わった組合せと、胡椒の香りから生じる味に一貫性があります。
 
食材:水牛のリコッタチーズ、胡椒、チコリ、バジリコ、ペコリーノチーズ、エキストラヴァージン・オリーブオイル

PIZZA POMODORI DEL PIENNOLO E SPECK
 ナポリのあるカンパニア州だけでなくイタリアの北から南の代表的食材の組合せたピッツァ。
 
食材:ピエモンテのトマトとハム、水牛のモッツァレッラチーズ、バジル、funghetto茄子、エキストラヴァージン・オリーブオイル
 
コッチャさんのお店La Notizia→http://www.ivc-net.co.jp/pizza/notizia.html

 

La Notizia94のピッツァ・メニュー


Citreum
 古代ローマ人に由来する2000年わたる食習慣をイメージして組合せた創作ピッツァ。
 
食材:細切りされたナポリ湾に浮かぶプロチーダ島のレモン、水牛のモッツァレッラチーズ、水牛の乾燥牛肉(ピッツァ釜から出したあとトッピングします)

Pizza with Zucchini Pesto
 燻製のチーズとベーコンを組み合わせ、庭の木々を思わせるズッキーニのペーストが加えられています。
 
食材:ズッキーニのペースト、燻製の水牛のモッツァレッラチーズとベーコン、モナコ産のプロボローネチーズ、バジル

Pizza Caponata
 シチリアの有名な料理と世界的に有名なシチリアの食材を結びつけた、食の王国シチリアへの賛辞です。
 
食材:水牛のモッツァレッラチーズ、ケッパー、セミドライのチェリートマト、すりおろした南部産の乳牛から絞ったポドリコチーズ、funghetto茄子、バジル

Pizza with Anchovies
 海と畑の産物の組合せ: 新鮮なアンチョビの強烈な味は、乾燥トマトの鮮烈な味とハーモニーを奏でます。
 
食材:水牛のモッツァレッラチーズ、エキストラヴァージン・オリーブオイル、生のアンチョビ、サン・マルツァーノのドライトマト

Pizza “Baccala in Cassuola
 あなたのテーブルに海を持ってくる珍しいピッツァです。昔は貧乏人の食べ物と考えられていました。
 
食材:サン・マルツァーノのトマト、ガエタノ黒オリーブ、ケッパー、塩漬けされたタラ、パセリ、バジル

Pizza alla Procidana
 古典的なマルガリータピッツァと同じ色をしています。このピッツァの帝王は18世紀のレシピで作られています。グリルされ味が躍動します。
 
食材:焼きトマト、スカモルツァチーズの薫製、オレガノ、エキストラヴァージン・オリーブオイル、ニンニク、パセリ、バジル
 
コッチャさんのお店La Notizia→http://www.ivc-net.co.jp/pizza/notizia.html

 

ナポリで学んだ方のお店



 本格的なナポリピッツァが紹介されて以来、多くの日本の方が、コッチァさんのところで学んでいます。今は日本で真のナポリピッツァ協会を展開されているSUKURAGUMIの西川さんもコッチァさんから学んだ方です。ご自分でピッツェリアを開店している方は、何人もいらっしゃいます。このうちの1軒、横浜市都筑区のピッツェリア・ドマーニさんを紹介します。
 
 このお店では、コッチャさんが運営するピッツァ・コンサルティングで学んだ日本人ピッツァ職人により運営されています。基本はナポリピッツァをそのまま再現することにあり、コッチャさんのお店La Notiziaと同様、料理食材にこだわって経営されています。そのため食材はできるだけ手作りとし、化学調味料や既製品のソースは使っていないとのことです。
 お話によると、ドマーニさんではピッツァ職人の技術を維持向上するため、定期的にナポリにあるピッツァ・コンサルティングにピッツァ職人を送り込んでいるとのことでした。本場のナポリのピッツェリアの雰囲気を感じるのには良いお店となっています。
 
<ピッツェリア・ドマーニのDATA>
 住所:横浜市都筑区荏田南4-10-4
 TEL:045-943-2396
 URL:http://pizzajuolo.com/
 
ピッツァ・コンサルティング→こちらから

 

次回予告


 次回はヤマネミドリさんのお宅で作った本当においしい自家製フィットチーニ・パスタとヤマネミドリさんが見つけたフェトゥッチーニのエビソースをお知らせします。
 
協力者の紹介と1号から10号の刊行内容
http://www.ivc-net.co.jp/food/mailmaga/2016/publish.html
 
11号から20号の刊行予定
http://www.ivc-net.co.jp/food/mailmaga/2016/publish2.html
 
Facebook
https://www.facebook.com/cucina.italiana.jp/

 

発行


ITALIAN VIDEO COLLECTION NET
 
株式会社イタリアンビデオコレクション
情報の投稿・ご意見・お問合せは
info@ivc-net.co.jp
イタリアでのビジネスや旅行は
http://www.ivc-net.co.jp/