Cucina Italiana

クチーナ・イタリアーナ(イタリアの台所)
第33号

「ポルチーニ茸祭り」

はじめに


ポルチーニ祭り

 8月から9月にかけてイタリア各地ではSAGRA(サグラ)が催されています。祭りと訳すけれど、元々は「豊穣祭」みたいなニュアンスで、その土地の特産物の取り入れ時に行われ、集ってきた人々に無料で特産物料理を振る舞って皆で食べ合うのがそもそもの起源でした。
 
 今ではサグラは町おこしのイベントに使われる場合が多く、無料の特産料理の提供もほとんど無くなっています。かえって屋台で大衆食堂並みに料金を取るサグラもあります。イベント化する中で、サグラもお祭化しているということです。
 
 ポルチーニ茸は日本の松茸ほどではありませんが、キノコの中では高価でお店で買うと高い茸です。比較的素人でも取ることができるので、イタリア人は秋になると目の色を変えて山に入り込むと言われています。サグラの中でも人気があるのがポルチーニ茸をテーマにしたサグラ。Midoromaさんが知っているだけで5カ所ぐらいで開催されています。
 
 第33回はこのポルチーニ茸をテーマにしたコッレ・ディ・フオーリのサグラをご紹介します。
 
中島洋子さんのご紹介
http://www.ivc-net.co.jp/food/toscana/nakajima.html
 
協力者の紹介と刊行予定
http://www.ivc-net.co.jp/food/mailmaga/2016/publish.html

 

コッレ・ディ・フオーリのポルチーニ茸祭り


ポルチーニ茸

 ローマから南東へ50キロほど行った丘の中腹にある小さな町、コッレ・ディ・フオーリもポルチーノ茸のサグラを町おこしに使っています。なにしろ、イタリア中どんな町でも古代ローマの足跡があるはずなのに、この新興の町には人を呼び寄せるものがなにもないのです。Colle di Fuoriで検索するとこのサグラとセリエB(日本で言えばJ2)のサッカーチームしか出てこない。それだけ大掛かりな町を挙げてのイベントとも言えるのです。
 
 町おこしにサグラを使うだけあって、町の見本市のような様相をしていた。どのサグラにもある屋台の他に町で営業している店も屋台を出しています。この他にも屋台は続き、ポルチーノとは全く無関係に、とうもろこしの炭火焼きだの、健康枕だの、チープなおもちゃだの、音楽CDだの、アフリカの木工だの、あると便利な道具(でも、いざ買っても家に持ち帰ると使わない代物)だのの屋台が並んで、いやが上にもお祭り気分を盛り上げてくれます。

ポルチーニ祭り
街のレストランの共同ポスター

 ここのサグラが町おこしだな、と思った理由の一つに料理の提供を町のレストランが請け負っていること。たいていのサグラは市が主催してお祭りの担当者が奥さん連中を組織して野外仮設キッチンで料理の腕を振るってもらう、手つくり感が大きい料理けれど、ここでは三軒のレストランと1軒のピッツェリアがそれぞれに自分たちの仮設キッチンで料理をしている。食べたい人はレストランを選ぶことになるという寸法。

羊の串焼きとポルチーノキノコのロースト

 まずレストランを選びます。レストランの列に並んでメニューから食べたい料理を選美支払いを済ませます。料理の名前が書いてあるレシート(ようは食券)を受け取って、レストランのキッチンに並び料理が出てくるのを待ちます。キャフェテリア方式。並んだレストランは「プラーティ」。

羊の串焼きとポルチーノキノコのロースト

 長蛇の列を並んで30分ほどして順番が来ました。レシートの料理名を見て手際よくお皿に盛るお姉さんが二人(こういう場合、お皿はプラスチックと決まっている)。にこやかに接してくれるのが気持ち良い。

羊の串焼きとポルチーノキノコのロースト

 今回の主役、ポルチーノキノコをフライパンで料理したソースとトリュフで和えたパスタ。ポルチーノとトリュフという臭い取り合わせで、なかなかハードで美味しい。
 パスタは卵で練ったもの。これはCELLITTI(チェリッティ)という名前のローマ近郊特産のパスタ。うどんのように太い。スーパーなどでは見られない種類のパスタだ。
 旦那と息子はフェットチーネを選んだ。味付けはもちろんポルチーノ。

羊の串焼きとポルチーノキノコのロースト

 パスタの盛りが良かったので、もはやお腹いっぱい。セコンド(第二の皿・タンパク質)は三人で羊の串焼きとポルチーノキノコのロースト一皿を頼む。
 パスタ三皿とこれ一皿で30ユーロ(約4000円)。決して高くないけどそう安くもない。サグラならもうちょっとおまけしてよと思うけど、町おこしだから仕方ないかと思ってしまうMidoromaさんでした。

羊の串焼きとポルチーノキノコのロースト

 ドイツのオクトーバーフェストみたいな感じでテントの下、長いテーブルとベンチ式の椅子が並んで、相席で食べる。あまりイタリアでは見られない光景。
 でもイタリアでは皆で歌って立ち上がったりはしないけど。

 

次回予告


次回は、食のコーディネータ中島洋子さんが中世の塔の町サンジミニャーノ食材探訪ツアーで訪れたワイナリーでのワイン・テイスティングを兼ねた黒トリュフとサフランの料理コースを紹介します。
 
中島洋子の料理レッスンは
http://www.ivc-net.co.jp/food/toscana/lesson.html
 
協力者の紹介と刊行予定
http://www.ivc-net.co.jp/food/mailmaga/2016/publish.html

 

発行


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