Cucina Italiana

クチーナ・イタリアーナ(イタリアの台所)
第42号

フードコーディネータ・中島洋子の部屋
イタリア料理レッスン/
ズッキーニをメインとしたメニュー

はじめに



 フィレンツェ在住のイタリアン・フードコーディネータの中島洋子さんは、フィレンツェの自宅で1日イタリア料理レッスンを開催しています。
 
 今回は以前日本で料理レッスンを受けていただいた千葉県のO様をフィレンツェの自宅にお迎えしての2度目の料理レッスンです。O様からリクエストのあった「ズッキーニ」、「パンチェッタ」、「応用の効くイタリアのパン生地」をテーマにしたイタリア料理をメインにメニュー作りをしました。
 
 第42回は中島洋子さんのフィレンツェの自宅で開催したイタリア料理レッスンの概要を紹介します。
 
中島さんのフィレンツェで1日だけ料理教室
http://www.ivc-net.co.jp/food/toscana/example.html
 
協力者の紹介
http://www.ivc-net.co.jp/food/mailmaga/2016/publish.html
 
1号から20号の刊行概要
http://www.ivc-net.co.jp/food/mailmaga/2016/publish2.html
 
21号から40号の刊行概要
http://www.ivc-net.co.jp/food/mailmaga/2016/publish2.html

 

フィレンツェでのイタリア料理レッスンの概要


 フィレンツェで開催する料理レッスンでは、食材は中島さんが準備します。今回は料理レッスンの前日にO様ご一家に食材探訪ツアーに参加していただいた為、インタラクティブな参加型レッスンの試みとして、大型スーパーで皆様にお好きな果物を1種類づつ選んでいただき購入した果物も加えてマチェドニア作りをしました。 当日レッスンしたイタリア料理のメニューは次の通りです。
 
・イタリアのパン生地とその応用:
ジェノバ風のスキアッチャータ(トッピングは岩塩、玉葱、プチトマトとオレガノの3種類)
メッシカーニ(細長い5センチ幅のスキアッチャータの一種でトッピングは黒と緑の種抜きオリーブの実とプチトマトとオレガノの2種類)
パ二―二(ヒマワリの種と白ゴマを混ぜたパ二―二2種類)
・プリモピアット(第1の皿):ズッキーニのソース ペンネ和え
・セコンドピアット(第2の皿):ズッキーニの肉詰め
・コントルノ(付け合わせ):グリーンピースとパンチェッタの付け合わせ
・ドルチェ(デザート):季節のフルーツのマチェドニア
・ワイン:イタリアのDOCG*白ワイン
・チェントエルベ(アルコール度70%の緑色の食後酒)
 
*D.O.C.G.とはイタリアのワインの格付けで「統制保証原産地呼称」。
Denominazione di Origine Controllata e Garantitaの略で、フランスのワインに対抗して1980年に設けられた。

 

スキアッチャータとパニーニ


スキアッチャータの一種メッシカーニ

 お客様からリクエストのあった応用のきくイタリアのパン生地を発酵させて、ジェノバ風のスキアッチャータ、スキアッチャータの一種であるメッシカーニ、そしてヒマワリの種と白ゴマを練り込んだパニーニ2種類を作りました。
 
ジェノバ風のスキアッチャータのトッピングは岩塩、薄切りにした玉葱、プチトマトとオレガノの3種類です。スキアッチャータの一種である細長いメッシカーナのトッピングは2種類で、種抜きの黒と緑のオリーブの実を交互に飾ったものと薄切りにしたプチトマトにオレガノを振りかけたものです。見た目も鮮やかで、手でつまんで食べることができるので大人数のパーティーにも向きます。ワインやビールのおつまみとしても最適です。
 
 パ二―二にはヒマワリの種と白ゴマを混ぜて2種類焼きました。パ二―ニは半分に切って、マスカルポーネと生ハムを挟みました。冷蔵庫で冷やしておいた白ワインを開けて乾杯し、アンティパストとして皆様に召し上がっていただきました。表面はパリッとしていて、中はふっくら。バターを塗ってスモークサーモンを挟んだり、薄切りにしたトマトとバジルの葉とモッツァレッラを挟んでも美味しいくせのないパ二―二です。

 

ズッキーニのソース ペンネ和え


ズッキーニのソース ペンネ和え

 ズッキーニの美味しさをそのまま封じ込めたズッキーニのソースは、どこかほっとするような優しい味わいです。4人分で皮を剥いた5本のズッキーニを使います。ズッキーニの半分は漉し、半分は角切りにして炒めるので、ズッキーニの滑らかなソースとブイヨンの旨味を吸ったズッキーニの食感を同時に味わえます。
 
 ペンネの茹で加減は若干固めにしてズッキーニのソースに加え、旨味を吸わせながらアルデンテに仕上げるのがコツです。

 

ズッキーニの肉詰め


スプーンで中身をくり抜いたズッキーニ

 ズッキーニの肉詰めには、細長いズッキーニと球形の2種類を使いました。球形のズッキーニは、蔕の付いた先端を切って蓋にするとお洒落な一品に仕上がります。 ズッキーニの中身をスプーンでくり抜いて、塩味をつけたお湯の中で軽く茹でます。くり抜いたズッキーニの中身はみじん切りにして、挽肉、みじん切りにしたタマネギ、パルメザンチーズや卵などを加えて練り、ズッキーニの器に詰め込みます。オリーブオイルを上からまわしかけてオーブンで焼き上げます。


こんもりと具を詰めた焼く前のズッキーニ

オーブンから出したばかりのズッキーニの肉詰め

 

グリーンピースとパンチェッタの付け合わせ

 お嬢様がパンチェッタを手作りされるとのことで、パンチェッタを使ったレシピのリクエストとして、グリーンピースとパンチェッタの炒め物の付け合わせを作りました。隠し味に砂糖が少し入っています。トスカーナの家庭料理では定番の肉料理に合う付け合わせです。


グリーンピースとパンチェッタの付け合わせ

 

季節のフルーツのマチェドニア

 食材探訪と連動したインタラクティブな料理レッスンの試みとして、用意しておいた果物に加えて、スーパーで選んでいただいたお好きな果物を1種類づつ加えてマチェドニアを作りました。
 
 黄桃、白桃、アメリカンチェリー、葡萄、キウイ、すもも他、季節のフルーツを切ってレモンの搾り汁、砂糖、隠し味に白ワインを少し入れて、良く混ぜて冷蔵庫で冷やします。さっぱりとしたビタミン豊富なドルチェなので、お腹いっぱい食べた後もマチェドニアは別腹でお腹に収まります。


杯型のクリスタルグラスに盛り付けたマチェドニア

 

食事風景


美味しくいただきました

 料理レッスンで作った料理は、フィレンツェの市内観光を終えたO様の旦那様とお嬢様の旦那様も加わり、賑やかな食事会となりました。
 
 お嬢様はレッスンで覚えたズッキーニの肉詰めを帰国後早速作られたとのことで、O様からは、「レッスンは、とても分かり易く、楽しく学べました。」というメールを頂き、フィレンツェでの料理レッスンと食材探訪ツアーを通して、イタリアの食文化を少しでもお伝えできたこと嬉しく思います。
 
中島さんのフィレンツェで1日だけ料理教室
http://www.ivc-net.co.jp/food/toscana/example.html
 
中島洋子さんのイタリア食紀行
www.ivc-net.co.jp/food/toscana/foodlogue.html

 

次回予告


 秋の終わりはオリーブオイルの季節です。オリーブを摘んで、工場に持ち込んで搾油します。次回は晩秋の家族でのオリーブオイル作りをご紹介します。
 
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1号から20号の刊行概要
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