Cucina Italiana
クチーナ・イタリアーナ(イタリアの台所)
第95号
ローマのお薦めパスタ
はじめに
イタリアではコース料理を頼むと、パスタは、前菜の後の最初のメインコース、Primo piatto(最初の皿)として出されます。メインの料理の1つです。ちなみにPrimo piattoにはサラダ、リゾット、ポレンタ、スープ等が分類されます。この辺りはフランス料理のコースの概念と大きく異なります。
パスタは、今でも新しいものが発表されており、600種類以上のものがあると言われています。このパスタをいろいろな和え物にしたり、地域の食材を加えて料理にしますのでパスタ料理は何千種類もあることになります。第95回はローマの食材をベースとした、ローマのお薦めパスタをご紹介します。
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協力者と刊行内容
→http://www.ivc-net.co.jp/cucina/index.html
カチオと胡椒のスパゲッティ(cacio e pepe)
ローマは古くから羊の放牧をしてますので羊関係の食品はローマの伝統料理となっています。そもそもローマを建国したロムルスもパラティーノの丘を居住地にして羊の放牧で生活していた部族の長であったろうと言われています。その中の「pecorino romano」(ローマ風羊乳チーズ)を別名Cacioと言い、このチーズの美味しさで食べるパスタがcacio e pepeです。風味が高く、胡椒でピリッと締めます。
ゆでたパスタに削ったCacioを混ぜて胡椒を上からかけるだけの簡単料理でもあります。これを高級レストランで出すということは、余程シェフに自信が無ければ出せるものではありません。これを聞いただけで,内容のすごさを感じさせる逸品です。
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チェリッティ(CELLITTI)
パスタは卵で練ったもの。これはCELLITTI(チェリッティ)という名前のローマ近郊特産のパスタ。うどんのように太い。濃厚な味に負けない面の強さをもっています。
写真のパスタはポルチーノキノコをフライパンで料理したソースとトリュフで和えたパスタ。ポルチーノとトリュフという臭い取り合わせで、なかなかハードで美味しい。
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ローマ風のフェトゥッチーニ(Fettuccine alla gricia)
フェトゥッチーニは卵を入れた練り粉をのばして、幅7〜8mmで平たく切り分けたパスタ。タリアテッレよりやや幅広のパスタ。
パンチェッタ(塩漬け豚肉)にローマ名産のペコリーノチーズをたっぷり幅広パスタFettuccineにからめからめた物。パンチェッタのカリカリとした香ばしさがアクセントです。
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海のアマトリチャーナ(Amatriciana del mare)
アマトリチャーナはもともとは肉系のメニューで、豚の頬肉のベーコンをトマトで煮たソースをパスタに和える料理。ここでは豚のベーコンと魚を混ぜた。魚はスズキ。しかも羊の乳のチーズかけ。ヒツジのチーズは牛の乳のチーズより香りがきつい。伝統的には魚料理にチーズは使わない。ここはしかも香りのきつい羊をあえて使ってる。
豚のベーコンも羊のチーズも量を間違えると魚の香りを消してしまって魚をいれても意味がなくなってしまう。これは絶妙でした。ベーコンの味も、魚の味も、チーズの味もそれぞれに感じられておいしいパスタです。
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パッパルデッレ(Pappardelle)
リボン状の10mm以上の幅広い板状のパスタ。イノシシや野うさぎなどのジビエで作る濃厚なミートソースに和えることが多いパスタです。ローマではイノシシ肉のパッパルデッラがお薦めです。
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次回予告
聖ステファノは新約聖書の中に出ているキリスト教徒最初の殉教者です。12月26日は聖ステファノの日というキリスト教における聖名祝日の1つになっています。3日間続くクリスマス休暇の締めとなります。次回は聖ステファノの日を紹介します。
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