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ローマから吹く風n.232

聖体拝受のお祝いのごちそう

Luigi

 姑のアンナは89歳。
20年以上前に、脳溢血を患った後遺症もあって、運動機能が日毎に衰えて、一人で歩くのが難しくなってしまいました。いつも自分の椅子に座り、もう一脚の椅子を前において机替わりにして、作業をします。

 作業は、椅子の後ろにかけておいたネックレスの種分けとか、年金として手に入れた紙幣を用途ごとに分けるとか、単純なものです。一日椅子に座って家の中にいるだけの姑にとっては、そうした単純な作業でも、やることがある、というそれだけでも大きな事です。大仕事です。高齢と病気の後遺症で、手が思うように動かず、判断にも時間がかかります。

 それで、何事にもコメントせずにいられない姑は

 Che macello, che macello! Che caciara! (ああ、もうごちゃごちゃ!大騒ぎ!)」と、ゆっくり手を動かしながら言います。

 判断に時間がかかることと、何もすることがない他の日と違って、やることがある、それ自体のすごさを自分とその周りにアピールするという心理的な効果もあるのではないと思います。



こんなローマ イタリアを見せたい 聖体拝受のお祝いのごちそう
 

前回は南イタリアへ行きました。今回は北イタリアのベローナです。ベローナには義理の妹一家が住んでいて、10歳になる姪がいます。10歳は教会で初めて「聖体(キリストの肉であるパンの代わりの薄いおせんべいのような物)」を受け取る儀式の年齢です。これで晴れて真のキリスト者となるわけです。信仰心の篤いカトリック教徒にとっては、洗礼に続いて「人」として生きて行くための大事な儀式です。まぁ、七五三のようなものでしょうか。10歳までつつがなく成長できた子を、親は嬉しく、神様に感謝したくなります。

教会

ベローナの郊外に住む義妹達の教会。知識を総動員してみるに、ゴシック様式が少し垣間見られるロマネスク様式の教会。つまり、ルネッサンスのちょっと手前、ということで、14世紀初頭の建築ではないかと推測します。

フィレンツェから北の教会に多く見られる、色大理石の横縞模様も特徴的。ベローナはピンクがかった大理石が取れるので有名です。とれ「た」かな。

はい!
「聖体」を受け取っている大事な場面です。

salameria

salame

こうした人生の大事な節目の行事にはごちそうが付きもの。

8種類の前菜、8種類のパスタ類、10種類の肉類から選べるようになってました。
さぁ、迷うぞ!

前菜:山の中のレストランだから、これはおいしいのではないか、と、猪のサラミ。
ブルスケッタには美味しいオリーブオイルがかかってました。

salame

formaggio

義理の妹の前菜。野菜のパイ、フォンドュ床。味見させてもらったら、ベローナ産のデリケートなチーズのフォンドュが野菜に合っておいしかった。

パスタ類:三つの味を混ぜてもらえるということで、「梨の包、バター和え」「タリアテッレのうさぎひき肉トマト煮和え」「クレスペッラ(ちぎったようなパスタ)のラディッキオ(ベローナの野菜)ソースとチーズ和え」で、どれもおいしうございました。
ベローナのチーズはどれも優しい味がします。

formaggio

formaggio

肉類:本来はあまり好きじゃないのだけど、義妹が「おすすめ!」というので頼んでみました。馬のフィレ肉のリキュール煮。
いやぁ、柔らかく、馬肉の甘さとリキュールのかおりがよく合ってました。

これは息子が注文した、豚のスネ肉のオーブン焼き。
息子は何よりもその大きさに満足してました。

formaggio

formaggio

最後はどうしたってケーキで。
姪が大好きな、イチゴとメレンゲのケーキ。

締めくくりは、スプマンテで乾杯。
たまのことだから、と、肝臓のせいでアルコールは飲んではいけないおじいちゃんも、ちょこっと口につけました。

formaggio

menu
当日のメニューです。

Ristorante San Bricco
住所:Via Casetta 10
San Bricco di Lavagno (Verona)
tel: 045-8740054

ヤマネ・ミドリさんと回るローマのツアー


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