ローマから吹く風




ルッカでの豪華なお食事の報告

ローマから吹く風

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 イタリアのトスカーナの田舎町ルッカでは、毎年秋にルッカ・コミックス・アンド・ゲームズというイタリア最大、ということはヨーロッパ最大のマンガのフェスティバルが開催されます。ローマのコーディネータの山根さんの本職はマンガ学校の先生。毎年日本代表となったつもりで、フェスティバルに参加しています。
 
 この二日目の関係者を招いてのお食事会はイタリアの食文化の底力を余すところなく示しています。それは歴史であり、食に関する力だと思います。



お店

 毎度おなじみのベル薔薇に扮したコスプレーヤーの方達。すっかりなりきっているのがすごいところ。見かけたら「オスカル」「アンドレイ」と声をかけてあげてください。
 いつもお会いしているので、すっかり山根さんのおなじみさんです。
 
(閑話休題)
 
 このルッカコミックス二日目に賞の授与の後、関係者を招いてのお食事会があるのです。山根さんも豪華な食事に招待されています。日本代表なのかしら。。。。



マンガ学校

 ここはルッカ旧市内の商業協会の建物。見かけはルネッサンス風、中の装飾は18世紀風。「風」とはしたものの、ほんとにその辺の時代の建物。この中のお部屋は普段は事務所。この部屋の広間二つを使ってカテリングがテーブルセットしました。
 
 こんなところが高級レストラン、あるいはそれ以上の場所に(マンガ風に)トランスフォームするところがものすごい。日本の田舎町では考えられません。



マンガ学校

 二つ折りのメニューの裏表紙に、「イタリアコック協会、イタリアソムリエ協会、バルガホテル学校、モンテカルロ・ブォナミーコ農場が皆様に御礼を申し上げます」と書いてある。美味しい物が食べられそうです。

マンガ学校

 配られたメニューは左がワインメニュー。三種類です。右がお食事メニュー。
 
◎前菜(アンティパスト):スペルト小麦のトルタ、ひよこ豆のクリームとざくろの実かけ
◎第一皿(プリモ・ピアット):秋の風味クリーム(黄色いかぼちゃ、ポルチーニ茸、くるみ)のリゾット
◎第二皿(セコンド・ピアット):シエナ豚の黒キャベツと豆添えとジャガイモケーキ
◎ドルチェ:マロングラッセのセミフレッド



お店

<スペルト小麦のトルタ、ひよこ豆のクリームとざくろの実かけ>
 FARROというスペルト小麦は、穀物料理がお得意のトスカーナでよく使われる。最近は、健康管理から見直されてローマのスーパーでも見られるようになりました。ルッカのレストランではどこでもこのFARROを使ったスープがメニューにありました。つまりルッカのお得意地元料理の前菜。



お店

<秋の風味クリーム(黄色いかぼちゃ、ポルチーニ茸、くるみ)のリゾット>
 プリモ(第一の皿)はこの季節に手に入る、この季節にしか手に入らないものを使ってのリゾット。主張の多いポルチーニ茸とデリケートなかぼちゃが絶妙に合っていた。プチトマトは色添えですね。かぼちゃ、ポルチーニ、くるみを使ったクリームは絶品。イヤーこれこそ山の秋のお味。



お店

<シエナ豚の黒キャベツと豆添えとジャガイモケーキ>
 セコンドはシエナ豚の黒キャベツと豆添えとジャガイモケーキ。この「シエナ豚」(Cinta Senese)というトスカーナ産の豚が曲者。これもルッカのレストランで何度もお目にかかった。トスカーナのキアーナ牛が美味しいのは知ってたけど、この豚さんもキアーナ牛に劣らず、なかなかのものです。



マンガ学校

 <マロングラッセのセミフレッド>
 これも秋のドルチェ。セミフレッドというのは「半分冷たい」という意味で、ジェラートまで行かないけどムースほどヤワヤワしてないお菓子。
 
 まさに授賞式の豪華なお食事。イタリアは地方ごとにおいしいものがあるというを再認識させられます。こんなものが田舎町で堂々とサービスされるのです。ゴチソウのあり方が違っています。
 
 食前のプロセッコに始まって、食事の間中、前菜とリゾットの時はモンテカルロの白、お肉の時は赤をソムリエがテーブルを廻って注ぎまくってくれた。大事なお客さんのように扱ってくれつつ、ここの人たちはスノッブではなくて「慇懃無礼」ということはないので、こういう高級な食事会でも緊張しないで食事ができるのが好き。ミラノとかパリだとそうはいかない。。。とミラノとパリがあまり好きでない山根さんは思うのでした。
 
 ごちそうさま