ローマから吹く風




ローマでお勧めできないバール

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 ローマは200m歩けばバールが必ずあるといって良いほどバール(軽食もあってお酒も飲める喫茶店)があります。バールにはそれぞれの常連さんがいて、カルチョ(サッカー)好きのバール、5つ星(政党)支持者のバール、カソリック教徒のバール等種々雑多なバールがあり、これらが街の文化の一部にもなっています。
 
 だからという訳でもないのですが、ヤクザなバールやボッタクリ専門のバールもあります。このような困り者のバールは、どういう訳かバールがあまり無い地域に生息しているようです。  



 

 
 真実の口のあるサンタ・マリア・イン・コスメディン教会(右写真)を通り抜けてマルチェッロ劇場(古代ローマの遺跡)へ向う通りにそのうちの1軒があります。「暗黒の」中世時代の建物が残ってる珍しい場所で真実の口だけを見るのではもったいない、観光のベストスポット。
 
 真実の口のそばという一等地です。世界中から観光客がわんさと来る。 下写真の劇場の手前の角にあるバール(近づきたくないので遠くから)。
 
 ここは以前、小さな水のペットボトルを買って2ユーロというとんでもない値段だったのでたまげた。今はモニュメントそばのバールとか野外店舗でその値段なので普通だけど、当時は1,5ユーロくらいが相場だった。それでも高いけどね。

 ということは、今は3ユーロくらいで売ってるのかな?地の利を笠に着た暴利は気分が悪い。で、このバールには二度と行かないと誓ったので、先日、真実の口に行った時には、もう一軒のバールに行きました。



 
 もう1軒はローマの中心地のベネチア広場を背にして(右写真)、ベネチア広場とマルチェッロ劇場を結ぶVia Teatro Marcello 14にあります。
 
 残念ながらここもダメ。さらにダメ。オーナーがものすごく感じ悪い。一緒にいた子供が、何を食べるか迷っていたら「まだ決めないのか」と何度も言った。疲れていたので座って食べると言ったら、コーヒーとジュースと菓子パンで17ユーロ(2300円くらい)と、とんでもない金額を言うので立ち食べにした。座る前に言ってくれたのがせめてもの「親切」。
 
 バールもレストランやホテルと同じように格付けがあって、テーブルを使うと格によって値段が変わる。住まい近くのバール格だと、自分でテーブルに持って行って、追加料金がない場合もある。
 ベネト通りなどの高級バールは値段が跳ね上がる。でも、どっしりした布のテーブルクロス、花とかろうそくの飾りがあったり、蝶ネクタイの給仕にジノリの食器と銀のスプーンで、客は値段を承知で高級感を味わう。ただし、だ。ただし、テーブルを使わないで立ち飲み立ち食べの場合は、格にかかわらず値段は同じ。これがイタリアの文化。10セントほどの違いがあるだけ。イタリア旅行をする場合は覚えておくとよいですよ。
 
 白い日除け傘が二つ出ているBAR。しかるに、このバールは立ち食べでも高かった。10ユーロだって。コーヒー1ユーロ、ジュース2ユーロ、菓子パン2ユーロとちょっと高めに見積もっても5ユーロでよかったはず。
 文句を言わなかった私も悪い(いまは反省)。

 同じ時に店内のテーブルを陣取った5人ほどのイタリア人観光客は、本当に腹を立てて「素晴らしい人物だ!記念に握手をしてくれ!」と嫌味を言いつつ出ていった。
 
 店の様子から判断して(テーブルはむき出しでテーブルクロスもない。給仕はいない。当然スプーンは銀ではなかった)、座っても大したことあるまいと思っていたらベネト通りもびっくりの値段を請求されたに違いない。
 
 真実の口付近で水を買いたかったり、ちょっと休みたかったりしても、この通りのバールに寄ってはいけない。我慢してベネツィア広場まで歩きましょう。