中島洋子の手打ちパスタレッスン

 手打ちパスタは手間はかかりますが、パスタマシンがあれば作るのはそれほど難しくありません。コツさえつかめば本場イタリアのレストランで食べるような美味しい打ちたての自家製パスタがご家庭でも再現できるのです。このパスタ作りのコツを伝授して、形状の異なるパスタに適したパスタソースを作って味わっていただくのが、フードコーディネータの中島洋子さんがフィレンツェの自宅で開催している手打ちパスタレッスンです。
 
 この手打ちパスタレッスンでは、日本でも購入可能なパスタマシンなども使って、イタリアで伝統的なロングパスタのフェットゥッチーネ(平打ち麺)タリオリーニ(平打ち細麺)、トルテッリ−ニ(具を詰めて包んだパスタ)、オレキエッテ(耳の形をした手捏ねパスタ)の4種類の手打ちパスタを作ります。さらにそれぞれのパスタに適したパスタソースを作って手打ちパスタと和えて試食します。また実技の他に、ポイントとなるパスタマシーンの使い方や手入れ方法、いつでもご家庭で打ちたての手打ちパスタを味わうための冷凍時のコツについても触れて説明いたします。

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レッスンで作る手打ちパスタの概要

<フェットゥッチーネ>
 小麦粉と卵で作るイタリア中北部の伝統的な平打ちのパスタ。主に北イタリアではタリアテッレ(tagliatelle)、ロ−マや南イタリアではフェットゥッチ−ネ(fettuccine)と呼ばれ、地域によって呼び名は異なるもののイタリアではほぼ同等のものとみなされています。幅は約4mm〜8ミリ前後まであって定義づけにおいては千差万別ですが、大手パスタメ−カーはフェットゥッチ−ネをタリアテッレより若干幅広のパスタとして商品展開しているところが多いようです。ひき肉を使うボロネ−ゼからクリ−ム系ソ−スまで、様々なパスタソ−スと相性の良い代表的な平打ちのパスタです。

<タリオリーニ>
 ロング・パスタの一種で、小麦粉と卵で作る平打ちのパスタ。タリオリ−ニ(tagliolini)は、細めのタリアテッレ(tagliatelle)という意味で、幅は2〜3mm。写真は、レッスンで作るタリオリ−ニ(手前)とフェットゥッチーネ(奥)の太さを比較した写真です。同じ卵を練り込んだ平打ち麺でも、幅が数ミリ違うだけで名称が変わります。ピエモンテ州ではタリオリーニはタヤリン(Tajarin)として知られています。

<トルテッリ−ニ>
 トルテッリーニは、ボローニャやモデナを代表する具を詰めたパスタで、牛肉や鶏肉の出汁が効いたブイヨンのスープに浮かべて食べるのが伝統的な食べ方です。また生クリ−ムソースで和えたトルテッリーニは、ボローニャのレストランやバールでよく見かける定番メニューです。具には様々な組み合わせがあります。レッスンでは肉詰めのトルテッリーニをブイヨンまたは生クリ−ム和えのどちらか一つを選んでいただいて試食します。

<オレキエッテ>
 パスタマシーンを使わずに作る南イタリアのプーリア州の伝統的な手打ちパスタ。耳(イタリア語ではオレッキオ)の形をしている為に、イタリア語でオレキエッテと名付けられたパスタです。セモリナ粉と水と塩だけで生地を打ちます。乾燥したオレキエッテも生のオレキエッテもイタリア全土のスーパ−で流通していて、イタリア各地で食べられています。

パスタの生地作り

 レッスンでは、次の作業を実習します。
 
<卵と小麦粉で作るパスタ生地の練り方>
 レッスンで使う生パスタ用の生地のために、小麦粉200g+卵2個(フェットゥッチーネ)、小麦粉200g+卵2個(タリオリーニ)、これに時間を節約するためにレッスンの1時間前に練ってボ−ル状に丸めてラップで包んでおいた中島さんが打ったパスタ生地(小麦粉100g、卵1個)(トルテッリ−ニ)を準備します。中島さんが打ったパスタ生地100gは、どのくらいの生地の硬さになるのが理想的かを触ってみてもらうためにあらかじめ作りおいたものです。いずれも2〜3人前の分量に相当します。キッチンタイマーを10分間に設定して、弾力のある滑らかな生地になるまでまな板の上で手で捏ねていきます。捏ねたパスタ生地は乾燥しないようにラップで包んでしばらく寝かせます。レッスンでは、パスタマシ−ンを通すのに適した固さの生地作りのコツや、生地が固かったり柔らかかった場合の微調整などについても伝授します。
 
<手捏ねのオレキエッテ作り>
 オレキエッテはセモリナ粉(200g)と水と塩だけで生地を打ちます。棒状にした生地を小さく切り1個づつ親指またはナイフで手前に引くようにして作っていきます。生地を表裏ひっくり返すと淵が厚く内側がざらざらとしたオレキエッテ独特の形状のパスタが出来上がります。レッスンでは、オレキエッテ作りのコツを丁寧にお教えします。

<薄く延ばした生地を使った肉詰めトルテッリーニ作り>
 トルテッリ−ニ用に、パスタマシ−ンで薄く延ばした生地を小さな丸い型で抜きます。丸型のパスタ生地に生ハム、モルタデッラ(ボローニャ名産のハム)、豚の赤味肉、パルメザンチ−ズを挽いてミンチにしてナツメグの風味を効かせた具を詰めます。見栄えもよく茹でる時に具が飛び出してこないトルテッリ−ニの包み方のコツをお教えします。

<パスタマシ−ンを使って生地を延ばしてカット>
 フェットゥッチーネ、タリオリーニ用に練上げたパスタ生地を、パスタマシン(マルカ−ト社のアトラス)で板状に薄く伸ばします。そしてパスタマシ−ン付属のカッターを装着して、3.5mm幅のフェットゥッチーネ、2mm幅のタリオリーニに切り分けます。
 
 また、パスタマシーンの使い方や手入れの仕方、いつでもご家庭で手打ちパスタが楽しめるような便利な冷凍保存方法についてもご説明いたします。フィレンツェ市内でパスタマシ−ンの購入をお考えの方には、キッチン用品の老舗のお店をご紹介します。

マルカ−ト社のアトラスは→こちらから

(レッスンで出来上がった生パスタ、写真左:タリオリ−ニとトルテッリ−ニ、写真中:フェットゥッチ−ネ、写真右:オレキエッテ)

パスタソース作り

 パスタは、その地方の食材に合わせて独特な形状が発達してきました。レッスンで作る手打ちパスタは、それぞれのパスタに適したパスタソースを作って仕上げます。手打ちパスタレッスンで作るパスタソ−スはどれも短時間ででき、それぞれのパスタの持ち味を生かした本場のイタリアの味でありながら、日本でも簡単に手に入る食材で作ることができるものを選んでいます。
<タリオリ−ニ:レモンソ−ス>
 レモンソ−スは、無農薬のレモンの皮のすりおろしとレモンの果汁などで作る酸味が効いた爽やかな味のパスタソ−スです。仕上げにタイムの葉やレモンの皮の千切りをタリオリ−ニの上から散らすとお洒落な一品に仕上がります。
<フェットゥッチ−ネ:セージバターソ−ス>
 セ−ジバタ−は、生のセ−ジの葉とバター、塩と胡椒というとてもシンプルな食材で作りますが、弱火でじっくりとバターを焦がさないようにセ−ジの香りを引き出していくのがコツ。卵と小麦粉で作る平打ちのフェットゥッチ−ネのしこしことした麺そのものを味わうのに最適なパスタソ−スです。
<肉詰めトルテッリ−ニ:生クリ−ムソ−スかブイヨンを選択>
 生クリ−ムソ−スは、生クリ−ムとバターを煮詰めてナツメグの風味を効かせたソ−スです。肉詰めトルテッリ−ニを生クリ−ムソースで和えた一品は、ボローニャのレストランやバールではよく見かける定番メニューです。
 トルテッリ−ニを牛肉や鶏肉の出汁が効いたブイヨンのスープに浮かべて食べるのが伝統的な食べ方です。ブイヨンのスープは、手打ちパスタレッスンの時間の関係上、牛肉と野菜を煮詰めた無添加のテトラパック入り液体ブイヨンを用います。
<オレキエッテ:トマトソ−ス>
 トマトソ−スは、トマトの水煮缶、乾燥赤唐辛子、にんにくとオリ−ブオイルの風味が効いたパスタソースです。火加減ととろりとするまでトマトソースを煮詰めるのが美味しさのコツです。乾燥赤唐辛子を増やせば、ペンネアラビア−タのソースにも応用できるとても便利なソ−スです。もちもちとした食感の茹でたてのオレキエッテと爽やかなトマトソ−スは抜群の相性です。

作ったパスタの試食

 出来上がった次の4種類のパスタを試食します。
 ・ タリオリ−ニのレモンソ−ス和え
 ・ フェットゥッチ−ネのセージバター和え
 ・ オレキエッテのトマトソ−ス和え
 ・ 肉詰めトルテッリ−ニ(生クリ−ムソ−スかブイヨンを選択)
 
 4種類とも一人前づつ食べていくとなると最初のほうのパスタ料理だけでお腹が一杯になってしまい後半のパスタが食べられなくなってしまいます。そこで、そのことを予めお客様にお伝えしておき、完成した全ての手打ちパスタからどのくらいの分量をそれぞれ召し上がりたいかを伺います。そして塩を入れたお湯で、ご希望の量に合わせて1種類づつ茹でます。茹で上がったパスタをパスタソースと和え、1種類づつ試食していただきます。
 試食にあたってはパスタに合う白ワイン1本とミネラルウォータ(炭酸入りか、炭酸無し)を一緒にいただきます。また試食の最後には、消化を助けるためにもさっぱりとして清涼感のある飲み口のアルコール度数70%の「チェントエルベ」という緑色のハーブのリキュールを食後酒のテイスティングとして出します。

  

(写真左からタリオリ−ニのレモンソ−ス和え,フェットゥッチ−ネのセージバター和え,オレキエッテのトマトソ−ス和え)

 

(写真左から肉詰めトルテッリ−ニの生クリ−ムソ−ス和え、ブイヨンに浮かせたトルテッリ−ニ)

<手打ちパスタレッスンの料金>
・グループ・レッスン お1人様につき85ユーロ(2〜3名様で開講)
・プライベート・レッスン 170ユーロ
・レッスン料金には食材費が含まれています。
<レッスン時間>
・ランチコース:午前10時開始(レッスン終了後に試食します)
・ディナーコース:午後2時開始(レッスン終了後に試食します)
・レッスン時間は試食を含めて約5時間です。

開催場所:
・フィレンツェ・トラム Federiga(フェデリーガ)駅近く。フィレンツェ中央駅から約10分。お申し込みいただいた後、詳しい場所をお知らせします。
お問い合わせ・お申し込み:
・氏名、住所、電話番号、人数、日程、ご希望内容をメールでお知らせ下さい。
 今回ご紹介したフィレンツェで1日パスタレッスンの参加者は随時募集しています。どうぞお気軽に株式会社イタリアンビデオコレクションinfo@ivc-net.co.jpまでお問い合わせください。

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