メールマガジン"ローマから吹く風"第6号:ローマのヴェルサイユ、コロンナ宮殿/カエサルの逸話 “女たらしのカエサル”

 
目 次
1.はじめに オリーブ・オイル狩り
2.ローマのヴェルサイユ、コロンナ宮殿
3.カエサルの逸話 “女たらしのカエサル”
4.旅の情報 バチカン美術館の夜間公開
5.あとがき エノテカとオステリア

1.はじめに オリーブ・オイル狩り

 イタリア料理のベースとなる、オリーブオイルについては、イタリアでは家庭ごとにこだわりがあります。料理用のオリーブオイルは、スーパで買ったりもしますが、サラダドレッシングやパンにつけるオリーブオイルにはこだわります。オリーブの産地を選ぶだけでなく、農園まで指定したりします。それだけでなく、自家用のオリーブオイルを作る家庭も珍しくはありません。ローマのガイドの山根さんのお宅でも、先日、秋のお決まりのオリーブ狩りとオイルの搾油を決行しました。結構重労働なのですが、これで採れた、オリーブオイルが一番おいしいのだそうです。家族一丸となって頑張るのは、イタリアの普通の家庭では、普通なことだそうです。


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2.ローマのヴェルサイユ、コロンナ宮殿

 コロンナ宮殿は、数々の教皇を輩出したローマの名門コロンナ家の宮殿です。現在はコロンナ美術館として、土曜日の9時から13時までの間のみ開館されています。コロンナ宮殿はローマに珍しいバロックの宮殿でとてもフランス的です。宮殿として整備された頃はヨーロッパの権力の中心がフランスに移行しつつあった頃です。ルネッサンスほど世界史の中でローマ、イタリアが語られなくなっています。その意味で、作りは豪華絢爛なフランスのベルサイユに影響を受けているともいわれています。現イギリスのエリザベス女王も、コロンナ宮殿にあったイザベッレ女王のアパートメントを訪問された事があり、ヨーロッパの王族の生活をかいま見る事が出来ます。映画「ローマの休日」で、最後の記者会見の場として撮影に使われたのが、2階にある「勝利の柱の部屋」で、ここでオードリーヘップバーン扮する主人公の王女が、ローマの楽しく切ない思い出を語っています。


3.カエサルの逸話 女たらしのカエサル

  政敵はカエサルを女たらしと呼びます。古代ローマでは凱旋式の際に、軍団兵達が将軍をからかう野次を飛ばす習慣があったとのことですが、カエサルの凱旋式では、軍団兵達が「夫たちよ、妻を隠せ。ハゲの女たらしのお通りだ」と叫んだと言われています。ただし、実際には女性なら誰でも良かった訳では無かったようです。その対象は、いずれも教養の高い上流階級の婦人で、国王の妻や、女王クレオパトラ迄、含まれています。この中には、三頭政治の協力相手だったポンペイウスや債権者でもあったクラッススの妻も含まれます。カエサル暗殺の首謀者のブルータスの母のセルヴィリアも、良縁を断り、カエサルの愛人で居続けました。しかも、女性達もこのことを許容していた様子が伺われます。いくら性的におおらかな時代であったにせよ、カエサルの女性関係は、あり得ない所業だったようです。実際、ポンペイウスやクラッススは、奥さんと離婚しています。しかしこれがカエサルの政治活動のマイナスに働いた気配はありません。
 伝えられるところによると、カエサルは美男でもなく、中年になってからは頭の真ん中が禿げていたとの事です。やはり見た目だけでなく、女性達を虜にする何かを持っていたと考えるしかありません。ユリウス家の守護神が愛の女神ヴィーナスであったことも、奇妙な符合を感じます。愛人達に恨まれる事のなかった希有な才能の持ち主であった事は、間違いないでしょう。

4.旅の情報:バチカン美術館の夜間公開

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 2015年4月24日から7月31日および9月4日から10月30日の毎週金曜日にバチカン美術館の夜間公開(午後7時から11時、最終入場午後9時半)が行われています。チケットの事前予約で購入することが出来ます。入場料は昼間の入場料と同じ20ユーロです。オンラインに限り予約が可能です。

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5.あとがき エノテカとオステリア

 イタリアではワインショップが発展して、付帯サービスとして軽いおつまみや軽食を出すシステムが出来ています。次回は、この辺りのイタリア事情を、紹介させていただきます。このような西洋風”居酒屋”的なエノテカの機能は、イタリア独特のもので、ワイン好きな庶民に親しまれています。また、このシステムがさらに発展して、本格的な食事を出すところまで出てきています。これがオステリアと呼ばれるもので、オステリアはエノテカが発展してレストラン風になったものと言えます。次回は、この辺りのイタリア事情を、紹介させていただきます。

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