メールマガジン“ローマから吹く風”第13号:
イルポスティーノのプロチダ島/トマトの季節
1.はじめに イタリアの公共工事
こういうメンタリティが無くならないと、少なくも、減って行かないと、イタリアはこのまま沈没していくんじゃないかと山根さんは思っています。。。。
2.イルポスティーノの島、プロチダ島
Well come to Postino Beach
ここでトロイージは撮影をした
Marina Corricella
<イタリア映画:イル・ポスティーノ。1994年制作>
イタリアの小さな島に住む郵便配達をする内気な青年マリオは、チリから亡命してきた詩人パブロ・ネルーダと交流することで、文学や芸術に目覚め、奇妙な友情が生まれる。マリオはパブロの協力もあって島のパブで出会ったベアトリーチェと結婚し、やがて共産主義活動に傾倒してゆく。数年後、島を訪れたパブロは、マリオがデモで命を落としていたことを知る。
実在のノーベル賞詩人のパブロ・ネルーダがイタリアに亡命しナポリ湾のカプリ島に身を寄せた史実に基づく作品。主演のマリオを演じたナポリの英雄マッシモ・トロイージは、この作品を取り終えた12時間後に亡くなったことでも、知られています。この撮影が行われたのが、同じナポリ湾のプロチダ島です。
プロチダは4平方キロくらいにすぎないのに1万人以上の島民がいる。カプリやイスキアと大きく違うのは、観光が産業の中心ではないこと。海で生活の糧を得ている。漁業の他に(近海、遠海から新鮮な魚が毎日届き、ナポリ、カプリ、イスキアへ運ばれる)国立の航海技術高校があり、世界中の船籍の船でこの学校を出た人々が働いている。
可愛くパステルカラーで彩りされた建物が出迎えてくれる。大型船こそ就航してないけど、フェリーがいくつも出入りする港で活気があるけれど、特にこれといった観光資源はない島で、温泉で有名なイスキアと目と鼻の先なのでイスキアの観光客が、ちょっと見物にくる程度。この島を一躍有名にしたのが、1994年制作の映画イル・ポスティーノでした。
火山起源の島で当然坂道だらけ。内部の道は狭い狭い。だから一方通行だらけ。道を間違えても、歩き続ければ行きたいところへたどり着くけどね。ミニ市バスで移動する。車内でも切符が買える。20セント増しで1,40ユーロ。運転手さんが小銭のお釣りを用意してないのはイタリアだね
朝の目的地は「Pozzo Vecchio」、古い井戸という名の海岸。海岸に出るとすぐにBARがあった。「Well come to Postino Beach」と書いてある。プロチダを一躍有名にした映画「Il Postino・郵便配達夫」はここでロケされたのだ。写真の立て札があって、「ここでトロイージは撮影をした」と書いてある。主演のマリオを演じたマッシモ・トロイージはナポリの英雄なのだ。だから、この立て札にパブロを演じたフィリップ・ノワレの名前はない。通りの名前にもなってます。「ポスティーノの海岸通り」
もう一つ「イル・ポスティーノ」絡みの場所、「Marina Corricella」。小さな漁港で、スペイン風の建物が独特の異国情緒を出している所。はい、ここも名前が変わりました。「マッシモ・トロイージ広場」ここにちょこっと出てくる建物。この港に郵便局と郵便配達夫が恋するベアトリーチェの店がある、ことになっている。
この観光的には地味なナポリ湾の島は、土産物だらけの街ではなく、イル・ポスティーノがらみを除けば、普通に市民の生活がある土地を見ることができる希有な島でした。
プロチダ島訪問は→http://www.ivc-net.co.jp/cult/kaze/262.html
3.トマトの季節
Tond a grappolo
Cuore di Bue
サン・マルツァーノ
半年近くにわたって、それぞれのおいしいトマトをイタリア人は楽しんでいます。その主なものをまとめてみました。もちろん名前は俗称で、厳密にはそれぞれ亜種が沢山あります。もちろん、そのトマトに合わせた料理もあると言うことです。
<Tond a grappolo(房状の丸いトマト)>
トマトソース用で、直径10cmほどのサイズのトマト。市場では茎につながって売っているトマト。形が均等で、丸くて赤い。春の終わり頃から出回る。山根家では、これを使ってイタリア料理のごはん入りトマトを作るのが、春の終わりの定番料理です。総菜屋さんや、トラットリアのごはん入りトマトはもっとお大きいトマトを使います。トマトソース用ではあるが、生でサラダにも使用します
<CILIEGINO(さくらんぼ)>
大きめのサクランボくらいのトマト。日本ではプチトマト。シチリアのパキーノで作られるプチトマトはそのまま「パキーノ」と呼ばれ、香りと味が深い。砂分の多い土と海水による散水で味が違ってくるそう。サラダと料理の双方に使います。 肉類やパスタのトマトソースだとトマトの味で魚介類のデリケートな味が隠れてしまうので、特に魚介類の味付けにこれを数個割って一緒に煮込みます。
<カボチャ・トマト>
かぼちゃのように実に切れ目が入って言うのが特徴。比較的皮が厚い。味が濃いのでトマトソースにも美味しい。
<Cuore di Bue(雄牛の心臓)>
雄牛の心臓に形が似ている。皮が薄く、酸味、甘み共に薄い。サラダに適しているがトマトソースにも併用できます。
<サン・マルツァーノ>
サン・マルツァーノは、他のトマトに遅れて、夏の比較的終わりに近い頃から熟し始める。今はハウス栽培が多いので早くから市場に出回るが、夏の終わりのものに比べると味は落ちる。まだ青みが残るものはサラダにも使う。 熟したものは、湯がくか、潰してガラス容器に入れ、煮沸消毒した後暗所にいれて保存食にする。トマトソース用。市販のトマト水煮の缶詰より味が良い。ただし、作るのが大変。
イタリアのトマトの種類→http://www.ivc-net.co.jp/cult/kaze/255.html
4.旅の情報 ジェラート・フェスティバル
このベルナルド・ブォンタレンティを記念して開催されているのがフィレンツェのジェラート・フェスティバルです。各種のジェラートが試食できる他、ジェラートの講習会やレッスン教室などがあります。2016年はフィレンツェだけでなく、イタリア各地やロンドン、ベルリン、バレンシアでも開催されます。なお、婚礼の際に提供された砂糖、牛乳、卵、クリームを組み合わせたジェラートは『ブォンタレンティ(Gelato Buontalenti)』または『クレーマ・フィオレンティーナ(Crema Fiorentina)』という名前で、今日でもイタリアのジェラート屋で食べることができるので、イタリアにお越しの節は是非試してみてください。
<2016年のジェラート・フェスティバル>
フィレンツェ(4月21日〜4月25日)
パルマ(4月28日〜5月1日)
ローマ(5月5日〜5月15日)
ナポリ(5月19日〜5月22日)
トリノ(5月26日〜5月29日)
ミラノ(6月2日〜6月12日)
ロンドン(6月24日〜7月3日)
ベルリン(7月7日〜7月10日)
バレンシア(7月14日〜7月24日)
(ファイナル) フィレンツェ (9月1日〜4日)
クチーナ・イタリアーナ(ジェラート・フェスティバル)
→https://www.facebook.com/cucina.italiana.jp/
5.あとがき
次回はローマにあるカエサルゆかりの観光スポットと、ローマで春と秋に開催されるコミックスフェアーROMICSを紹介します。
山根さんのページは→こちらから
6.メールマガジン「クチーナ・イタリアーナ(イタリアの台所)」の発行
<クチーナ・イタリアーナ(イタリアの台所)>
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