有名ブランドの再編その2

 
目 次
1.はじめに
2.有名ブランドの再編:LVMHとリシュモン・グループ
3.イタリア在住日本人女性の哀歌
4.旅の情報:アウトレット向けのブランド品
5.あとがき

1.はじめに

 弊社の関係者に、ブランド大好きおばさんがいます。グッチからディズニー・キャラクターに続き、ドラえもん・キャラクターグッズが販売されたとの情報が入り、イタリア現地で購入できないかとのお問い合わせがありました。まず、本当かしらと思いました。なるほどグッチのホームページを見ると、ドラえもんの・キャラクターグッズが並んでるではありませんか、しかもイタリアのグッチサイトに。。。。。
 
 年始早々、正月の正夢みたいな感じです。とにかくリクエストに答えて、グッチのドラえもん・キャラクターグッズを追いかけてみました。昭和生まれの筆者にとっては、いまだに理解を超えた世界でした。

2.有名ブランドの再編:LVMHとリシュモン・グループ

 LVMHグループは1987年にルイ・ヴィトンとモエ・ヘネシーが合併したのをきっかけに生まれ、多くのファッションブランドを傘下に収め、1996年には免税店のDFS( Duty Free Shoppers)の過半の株式を取得するなど、世界最大のファッション系のコングロマグリットです。グループの総売上高は2009年で170億ユーロと、桁外れに大きいのが特徴です。 傘下には、フランスではルイ・ヴィトンの他、セリーヌ、Dior、ブランデーのヘネシーといったフランスの有力ブランドがある他、ロエベ、ダナ・キャラン、マーク・ジェイコブス、ケンゾー、時計のタグ・ホイヤーなどの欧州の有力ブランドが加わっています。欧州のファッション大国であるイタリアも、フェンディ、ジバンシー、エミリオ・プッチ、宝飾品のブルガリ、靴のセルジオ・ロッシなどが参加しています。
 以前お知らせしたケリング・グループと前記のLVMHに加えて、ブランドビジネス3大グループの一角を占めるのが、リシュモン(Richemont)・グループです。傘下にはクロエ、ダンヒル、カルティエ、時計のIWC(インターナショナル・ウォッチ・カンパニー)、ピアジュ、筆記具のモンブランが加わっています。リシュモンは、やはりブランドビジネスのコングロマグリットですが、他の2つのグループと異なり衣料品の重点が低いことが特徴となっています。
 
 欧州を見渡してみると、この3大グループに属していないのは、めぼしいところではフランスのシャネル、エルメス、イタリアのフェラガモ、ブルネッロ・クチネリ、英国のバーバリーぐらいの独立系のブランドぐらいのものです。こう見てみると世界のブランドビジネスはいかにヨーロッパ、さらに言えばブランドビジネスの3大グループの属するフランスが、世界を支配しているかが分かります。世界経済とメインストリームの「米国中心」と異なり、ブランドビジネスのトップがフランスであることはとても興味深く感じざるを得ません。
 
 ここでフッと気づきました。食の世界も欧州、とりわけフランスが世界基準となっていることを。フランスは本当に伊達なだけじゃあありません。ことヨーロッパに関して言えば、フランスの帝国主義に対抗するのは地産地消のスローなイタリアしかない。気持ちを引き締めます。フォルツァ・イタリア!!

3.イタリア在住日本人女性の哀歌

  現地でイタリア人と結婚したイタリア在住日本人女性の場合、家庭に入っている方はまれで、皆さんなんらかの仕事をされています。その主な仕事は、通訳、ガイド、バイヤー、日本人向けショップの店員と言ったように、やはり日本と関係したものが多いです。 ご存知のように、コロナ禍でイタリアと日本の間の行き来ができなくなっています。そのため多くの皆さんは仕事がなくなって苦労されています。イタリアの家庭では、今や妻の収入が重要な家計の一部となっております。 そのためなんとか仕事を得ようと、大変な思いをされています。そのような イタリア在住日本人女性の苦境をいいことに、ネットでアウトレットでの買付が募集されています。一個の商品の買い付けのギャラは300円だということですが、100個買い付けて、日本に送付して、ようやく3万円ですから、かなりの低賃金労働です。無いよりは良いと応募する人も多いとのことです。
 しかし、在住日本人女性の強者の中には、買い付けのコツをつかんで、自らバイマ等に投稿して稼ぐ女性が現れているとのことです。そのためフィレンツェにある巨大アウトレットでは、日本人女性でごった返しているとのことです。その様子は見るに耐えないとのことでした。もっともこの話を聞かせてもらった日本人女性の方も、モールにあるモンクレールのアウトレットに日参して、毎日ダウン・ジャケットを日本の顧客に送付しているとのことでした。

4.旅の情報: アウトレット向けのブランド品

 最近、プラダ等の大手イタリアブランドでは、ブランドイメージを守るためアウトレット専用品を製造販売しているとのことです。そのため正規販売店では売っていない商品が、アウトレットで売っています。当然レベルは正規店のものより低くなっていますが、低価格のため人気となっているとのことです。品番やタグ等で区別がつくとのことで、関心のある方は調べてみてください。
 
 最近、日本ではBUYMA(バイマ)を通じたブランド品の購入が盛んになっています。このバイマには、イタリア現地在住日本人女性が投稿して売り捌く商品が増えています。バイマで人気なのは、プラダやグッチの低価格の商品です。ある会社が調査したところ、バイマでトップ10の売れ筋のアイテムは、すべてプラダのスペースやグッチのMallで売っているアウトレット専用品だったとか。ようは品質ではなく、2級品でもブランドのタグのある本物なら良いという人達が購入しているとのことです。

5.あとがき

   コロナ禍前までローマでは、Mercatino Giapponese「日本のフリマ」という、日本にちなんだフリーマーケットが毎月開催されていました。この「日本のフリマ」が1年ぶりに再開されました。次回は日本のフリマ・Mercatino Giapponeseの紹介です。
ご意見・お問合せ・旅行のご相談は→info@ivc-net.co.jp
 イタリアでのビジネスや旅行は→こちらから
 メルマガバックナンバーは→こちらから