イタリアのレストラン事情・高級レストランと基本ルール

 
目 次
1.はじめに
2.高級レストランと基本ルール
3.イタリアの給仕はエンタテイナー
4.旅の情報:大晦日の夕食会チェノーネ
5.あとがき

1.はじめに

 高級レストランと普通のレストランやトラットリアとの間には、様々な差があります。ドレスコードがあります。そうは言っても、おおらかなイタリアなので、厳格にルールが適用されているという訳ではありません。基本ルールを頭に入れて、大いに楽しんでください。

2.高級レストランと基本ルール

<高級レストランは味だけでなく雰囲気やサービスを楽しむもの>
 高級レストランは料理の味だけでなく、お店の装飾・環境が醸し出す雰囲気や給仕の洗練したサービスや奇知の効いた会話などをトータルで楽しんでもらうところです。それなりに料金も高いのですが、それに見合ったものがあると言うことです。語学の問題があるかも知れませんが、従業員もサポートしてくれますので、是非その雰囲気に触れてみてください。
 
<ドレスコード>
 高級レストランにはドレスコードがあります。ただおおらかなイタリアなので、ジャケット着用と言った程度のことも多く、フォーマルを要求されることは滅多にありません。また夜はフォーマルでも昼はカジュアルということもありますので、レストランに確認してください。カジュアルの場合でも、半ズボン、ホットパンツ、Tシャツ、サンダル履きはルール違反となりますのでご注意ください。
<料理注文の際の注意事項>
 コース全体をいただくのが基本となります。それでも最近はセコンド・ピアットの省略は認められるようになってきている模様です。パスタのみの食事や2人で1皿を分けるのもレストランのマナー違反と考えて下さい。食べきれない場合は、少々もったいないのですが、食べ残すことも選択肢とお考えください。
 
<量少なめの注文は追加料金>
 高級レストランではシェフをメインにしたオリジナルの料理が多くなっております。これは味だけでなく、飾り付けなどの見た目も考慮したものとなっています。言わばシェフの作品のようなものとなります。これを少量にするということは、料理のコンセプトに沿った「作品」をもう1つ作る必要が出て来るため手間がかかります。そのためミシェランの星付きレストランの中には、「量少なめ(small portion)は追加料金となります」と記載しているレストランもあります。量少なめはレストランにとってはあまり希望しないサービスなのです。ですのであえて量少なめにしてもらうよりは、「おいしかったけれど食べきれなかった」と言って残される方が賢明です。どうしても量少なめを依頼される場合は「料金追加でも構わないので量少なめにして欲しい」とリクエストされるのが良いかと思います。

3.イタリアの給仕はエンタテイナー

 イタリアの食事の楽しさは実は料理の味だけではなく、プロの給仕とのやりとりに始まります。言葉が心配だから、座ったらすぐに次々と出てくるようにして欲しいと言いましたら「大丈夫だから心配するな」というのがプロの給仕の答えです。
  イタリアのレストランでシェフをしていたことのある日本人シェフが東京の高級イタリアレストランでシェフをしていた時に「日本にはプロの給仕がいなくて困る」と言ってましたが、イタリアにはいます。その体験をぜひともしてほしいです。料理よりもそのほうが思い出に残るかと思います。
 
 プロの給仕はでしゃばり過ぎず、かつ、ちょっと、エンタテイナメント的にそのやりとりの中でお客さんを楽しませてもくれます。「イタリアのレストランで給仕と話すのが楽しいんですよね。でも、なかなかお客さんにわかってもれなくて」と給仕に話すと「わかっているからご心配なく。任せておいて」だそうです。さすがプロです。

4.旅の情報:大晦日の夕食会チェノーネ

 チェノーネとはイタリアで大晦日にする夕食会のことです。大体、9時頃から始まり、カウントダウンして新年になりスプマンテ(シャンペン)で乾杯するまで続きます。街中はお祭り騒ぎになり、新年を祝う花火が打ち上げられます。ホテルのレストランも含めて、どのレストランも料金の高い特別メニュー(コース料理)を用意し予約制となります。チェノーネのメニューはたっぷりで日本人には向きません。この日はレストランで普通の食事は出来ないので、あらかじめ夕食をどうするか決めないと、旅行者は夕食がとれなくなります。
 
ナポリのl Posto Accanto di Rosolinoの大晦日料理(チェノーネ)メニュー
→https://www.ivc-net.co.jp/restaurant/menu/rosolino.html

5.あとがき

 新コロナ禍のクリスマスは他県間の移動ができなくて、ベローナに住む義妹一家と集まれない。本当に家族だけ。兄弟のように付き合ってる近所に住む友人と居候が若干の賑わいを見せてくれました。 次回は、 2020年コロナ禍のクリスマス をご紹介します。
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