ラウラが紹介する
 サン・ロレンツォの手工芸アーティストとアート

「DANIELA RONCHOTTI」 〜ダニエラ・ロンコッティ
「GIANCARLO GENCO」
〜ジャンカルロ・ジェンコ

「LA GRANDE OFFICINA」〜大きな工房

「大きな工房」はダニエラとジャンカルロの小さな彫金の店。正真正銘、金を彫って作るアクセサリーです。
だから、もちろん一つ一つ手作りのオリジナルのみ。
「型流し」が主流の中で、金の小さな固まりを削り、曲げて作って行って、時間がかかる製法。
その重量感は「型流し」に差がつくようです。

最近は結婚指輪の注文が増えて来たとか…
「永遠の愛の誓い」に、一つづつ手作りをした、重量感のある指輪はふさわしいですね。

 

 
私は小さい頃から、こう言う手作業をするのが好きだったの。(ダニエラ)

「私は小さい頃から、こう言う手作業をするのが好きだったの。だから自然にこれを仕事にした…って言う感じね。
父が画家だったので、材料やそういう「空気」に事欠かなったし。
彫金の技術は、Via Margutta(スペイン階段近くの「画廊通り」と呼ばれる小道。
画廊、アトリエが多いアートな通り)にあった装身具の学校『Cascialli』で覚えたの。
この学校1862年にできた古い学校だったのだけど、今無くなっちゃったわね。
古いやり方は今は合わないのかしら?この学校で彼と知り合ったのよ。」

「私はデッサンをしてから作るけれど、彼はいきなり作り出すの。頭に入ってるんだって。」

「今、よく使うのはボールベアリング。指輪に組み込んで『動く指輪』。
 動的で面白いでしょ? 」


 
友達が行くのに、つき合えって誘われてね (ジャンカルロ)

「僕は彼女と違って、偶然この道に入ったんだ。
さっきダニエラが言った学校へ、友達が行くのに、つき合えって誘われてね。まあ、いいかって行った。そしたら面白くなっちゃって。」

「僕ももちろん型流しは使わないで削って行く。
だから似たようなデザインがあっても同じものは作れないし、その方がいい。 」

 

 
 その人に合った、その人だけのものを作る

「御客様が自分のために作って…と来たら、その人とよく話をしてその人の事をなるべく知ろうとするの。
そして、その人に合った、その人だけのものを作る…もちろん、私の解釈だけれどね。 」

「古い金のアクセサリーをじゃらじゃら持って来て(イタリアではお祝い事に金を贈る場合が多い)『これでなにか作って!』って言う人もいるのよ。」

「特に自分たちの宣伝をしようとは思わないわ。
お客さんが気に入ってくれて、それを知り合いに話す…。これが一番の宣伝だわ。 」


一からオリジナルを作る以外に外から素材を持ってくる事もあるそうです。
例えば…

「これは友達が中国へ行った時に買ってきてくれた銀細工をネックレスにしたの。なにかの神様らしい。意味がありそうだったので調べて、わかってからデザインを起こしたの。素材を使うときは、それをわかりたいのよね。」
「うふ、これ、面白いでしょ?
ユーロ導入で、もう使わなくなった5リラ硬貨。捨てられるのもかわいそうだから、使えないかな、と思って。 」

「行程を見たい?」と言ってくれたので、見せてもらいました。
1)ここに金を入れて溶かすの 2)棒の先に小さな容器 3)どれどれ…とジャンカルロがダニエラを押しのけて、バーナーで金を溶かします。。
喋りはダニエラ、実技は自分…と言うわけね。
4)溶けた金を細長い鉄の容器に入れて小さな延べ棒にします。 5)冷めたら手に取って…
(まだちょっと熱いらしい)
6)「圧縮機」のモーターを入れる。ぐお〜〜〜ん
7)二本のシリンダーの間を通してつぶします。 8)真剣

9)だいぶ平たくなったでしょ?

10)で、これを例えばこんな風に螺旋にしたりさ… 11)思わず作業に入ってしまったジャンカルロ  12)何年も仕事をして来た人の手つき…これがいいわ!

 

 

静かに語ってくれた二人(主にダニエラ)でしたが、熱い想いが中にみなぎっている感じでした。

お店は、朝10時から午後7時まで。月曜の午前中と土曜の午後、日曜はお休みです。
8月は夏休み閉店です。

サン・ロレンツォ/アーチストカード
アーチスト名
DANIELA RONCHOTTI (ダニエラ・ロンコッティ
GIANCARLO GENCO (ジャンカルロ・ジェンコ)
分野
彫金アクセサリー
店の名前
La Grande Officina(大きな工房)
住所
Via dei Sabelli 165b  00185 Roma Italia
連絡先
Tel:+39-06-4450348
日本での連絡先:ivc-net@ga2.so-net.ne.jp
URL
(コンピューターは持ってないそうです^^)