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ローマから吹く風n.230

カステル・メナルドの村祭り

マリアさん

 フランチェスコはマンガ家で、マンガ学校の講師です。
小柄な体で声が大きく、あまり笑わずに講義をします。講師を始めてまだ日が浅いせいか、真剣そのもの。

 受け持ちは1年生。1年生の授業は何が大変って、生徒のレベルに差があること。わからない人は基礎も知らない。
 えっこんなことも知らないの?ということも知らない。

 授業が始まって数ヶ月。ケント紙に原稿を描く授業が始まりまして、でもまだインクは使わないから鉛筆だけで原稿を仕上げます。
 マンガですから、ケント紙上にコマ割りをします。ヨーロッパのマンガは背景が大事。駒の中に背景を描きます。すでにパースの授業はやっているので、その応用をします。
 で、定規を使わないで原稿を描く生徒が何人か出ます。

 定規を机にも出してない生徒がいるのを見てから、フランチェスコは呆れて、「定規を使って原稿を描いてくれ!」
 定規を使わないで原稿を仕上げた場合は。。。。

Vi strappo la tavola e non sto scherzando,
 原稿を破くからね。冗談で言ってるんじゃない!と釘を刺しました。

 にこりともしないで、教室中をゆっくり見回しながら言うので迫力満点。定規を使わなかった生徒の顔を見ながら、ケント紙をビリビリ破く姿が想像できる言い方でした。

 厳しさも時には必要。フランチェスコの生徒は、全員、定規を使って原稿を仕上げるでしょうね。



こんなローマを見せたい カステル・メナルドの村祭り
 
ローマから100キロほど北西へ行った山の中の小さな小さな村、
カステル・メナルドをご紹介します。

村の起源は1500年半ば。
定住者170人ほどで、山の中腹に家々が張り付いています。

この山で取れる岩石を材料に家ができてます。

最近、村おこしに力が入って、10月に「古い味」と題する村祭りを大々的に開催しました。
この古い地域に住む人達が、それぞれ自分の家を開放し、伝統的な料理やお菓子や工芸品を作り、展示し、売って訪問客に提供しました。

チェーザレさん。
無職。あるいはなんでも屋。
羊を数頭持ってて、自分の為にチーズを作ります。
狩りに行って、猪を捕ってきたりします。
それを売ったり、何かと交換したり、高齢者の手伝いをしたりして食いつないでます。

学者先生。
きのこの権威です。

伝統家庭料理ではなく、知識を披露してました。
この朝数時間、山を歩いて集めてきたというきのこを展示、ラテン語で学名を書いたカードを用意し、滑らかな口調でそれぞれのキノコの特徴を解説してくれました。

先生が数時間で集めたキノコの一部。

じゃがいもを割るおじさん。

古そうな鉄のナイフを使って、洗ったじゃがいもを二つに割り、炭火で焼きます。

じゃがいもは自家製。

この村唯一の広場にテント。
なかでは炊き出しがありました。

簡易レストランです。
メニューは、豚の腸詰をトマトで煮た物に、とうもろこしの粉のパスタ、ポレンタ。

いかにも山の料理です。

この村によくある食物貯蔵室。
石を積み重ねた、厚みのある壁に囲まれて、外気の影響をうけません。

村の名士の貴族の館。

大きな暖炉があります。
この村の家はたいてい20平米、30平米と小さいのですが、この家は二階建ての120平米はあるかという家でした。

こんな機会でもないと、中を見ることはできません。

今もどなたかの家ですから。

村に住人がだんだん年を取り、羊飼いなどで生計を立てていた人も年金生活に入ったり、便利な山の麓に居を移したりして、ますます定住者が少なくなってます。
そして私たちのようなよそ者がアパートを買って、避暑に来たりします。

それでも残った人たちが、伝統を残そうといろいろ画策するのはいいことですね。

ヤマネ・ミドリさんと回るローマのツアー


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