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カステル・メナルドの村祭り
フランチェスコはマンガ家で、マンガ学校の講師です。
小柄な体で声が大きく、あまり笑わずに講義をします。講師を始めてまだ日が浅いせいか、真剣そのもの。
受け持ちは1年生。1年生の授業は何が大変って、生徒のレベルに差があること。わからない人は基礎も知らない。
えっこんなことも知らないの?ということも知らない。
授業が始まって数ヶ月。ケント紙に原稿を描く授業が始まりまして、でもまだインクは使わないから鉛筆だけで原稿を仕上げます。
マンガですから、ケント紙上にコマ割りをします。ヨーロッパのマンガは背景が大事。駒の中に背景を描きます。すでにパースの授業はやっているので、その応用をします。
で、定規を使わないで原稿を描く生徒が何人か出ます。
定規を机にも出してない生徒がいるのを見てから、フランチェスコは呆れて、「定規を使って原稿を描いてくれ!」
定規を使わないで原稿を仕上げた場合は。。。。
「Vi strappo la tavola e non sto scherzando,」
原稿を破くからね。冗談で言ってるんじゃない!と釘を刺しました。
にこりともしないで、教室中をゆっくり見回しながら言うので迫力満点。定規を使わなかった生徒の顔を見ながら、ケント紙をビリビリ破く姿が想像できる言い方でした。
厳しさも時には必要。フランチェスコの生徒は、全員、定規を使って原稿を仕上げるでしょうね。
こんなローマを見せたい カステル・メナルドの村祭り
ローマから100キロほど北西へ行った山の中の小さな小さな村、 カステル・メナルドをご紹介します。 |
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村の起源は1500年半ば。
定住者170人ほどで、山の中腹に家々が張り付いています。
この山で取れる岩石を材料に家ができてます。 |
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最近、村おこしに力が入って、10月に「古い味」と題する村祭りを大々的に開催しました。
この古い地域に住む人達が、それぞれ自分の家を開放し、伝統的な料理やお菓子や工芸品を作り、展示し、売って訪問客に提供しました。 |
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チェーザレさん。
無職。あるいはなんでも屋。
羊を数頭持ってて、自分の為にチーズを作ります。
狩りに行って、猪を捕ってきたりします。
それを売ったり、何かと交換したり、高齢者の手伝いをしたりして食いつないでます。
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学者先生。
きのこの権威です。
伝統家庭料理ではなく、知識を披露してました。
この朝数時間、山を歩いて集めてきたというきのこを展示、ラテン語で学名を書いたカードを用意し、滑らかな口調でそれぞれのキノコの特徴を解説してくれました。 |
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先生が数時間で集めたキノコの一部。 |
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じゃがいもを割るおじさん。
古そうな鉄のナイフを使って、洗ったじゃがいもを二つに割り、炭火で焼きます。
じゃがいもは自家製。 |
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この村唯一の広場にテント。
なかでは炊き出しがありました。
簡易レストランです。
メニューは、豚の腸詰をトマトで煮た物に、とうもろこしの粉のパスタ、ポレンタ。
いかにも山の料理です。 |
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この村によくある食物貯蔵室。
石を積み重ねた、厚みのある壁に囲まれて、外気の影響をうけません。
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村の名士の貴族の館。
大きな暖炉があります。
この村の家はたいてい20平米、30平米と小さいのですが、この家は二階建ての120平米はあるかという家でした。
こんな機会でもないと、中を見ることはできません。
今もどなたかの家ですから。
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村に住人がだんだん年を取り、羊飼いなどで生計を立てていた人も年金生活に入ったり、便利な山の麓に居を移したりして、ますます定住者が少なくなってます。
そして私たちのようなよそ者がアパートを買って、避暑に来たりします。
それでも残った人たちが、伝統を残そうといろいろ画策するのはいいことですね。
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ヤマネ・ミドリさんと回るローマのツアー |
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