ローマから吹く風




共和国祭〜La festa della Repubblica

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 6月2日は現在のイタリア共和国が制定された、いわば建国記念日。2018年で70年目。イタリアは戦後体制の新しい国なのです。この日には、ベネツィア広場とコロッセオを結ぶ大通り、フォリ・インペリアーリ通りで軍の行進があります。


<第一次世界大戦の陸軍の軍服>
 
 これは第一次世界大戦の陸軍。
 
 軍の行進は国を守り作るために戦った歴史と軍人を称えるため、かつての軍服もパレードに登場します。
<人が主役>
 ナイチンゲール達も。パレードは、陸海空の軍人たち。人が主人公で、かつてのような戦車や装甲車のパレードはありません。
 
 陸海空ともいろいろな特殊部隊に分かれている中で、特に変わっているのが陸軍のベルサリエレ(bersaglieri、狙撃兵)と日本語に訳されているけれど、アルプスの山岳部隊のこと。なんでも1836年に創設されたそうで、邪魔じゃやないかと思うほどの鳥の黒い羽を盛大にヘルメットにつけている。そして、何故かいつも走っています。


 すべてのパレードが終わると、大統領を官邸に送るために大統領付きの護衛兵コラッツィエリの登場。これがまたかっこいいんですね。カラビニエリという、こちらは1700年代に創設された軍隊に属していますが、元々は1500年代の王を護衛していた軍隊。身長190cm以上という規定があり、どっちかというと見栄えを優先していると思います。
 それでもいい!と思えるくらいかっこいい。古代ローマの兵士を思わせる長い房の着いたヘルメットも凛々しい。
 
 護衛兵がイタリア共和国国家を演奏していると…
イタリア空軍ご自慢のアクロバット戦闘機隊フレッチャ・トリコローリ(三色の矢)が。世界唯一の九機編成。


<大統領が列席>
 大統領が列席しています。子供たちが色を塗った5mの絵の贈呈を受ける大統領。
 
 そして、オープンカーに乗り、コラッツィエリに護衛されて官邸にむかう大統領。
 
 実践よりも見た目優先の特殊部隊を持っているのがイタリア的でありますが、ちゃんとした部隊もあります。

 イタリアは統一されて150年、王政廃止、共和国になって70年と若い国であります。こうしたパレードやフレッチャ・トリコローリは税金の無駄使いという意見もあるけれど、「イタリア」という意識を国民に植え付ける効果はあると思います。でもみんなが見てはいないような気もしますが。。。。。