ローマから吹く風




レストランになった魚屋さん

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 Midoromaさんのお宅はローマの郊外の海に近い小さな市です。小さいからと言って美味しいものが食べられないわけではありません。小さい街なりの美味しい店があります。
 "魚屋でフライ屋"と、店の看板に書いてあります。このお店の名前「セレネッテ」という店名がどこにもないのが不思議といえば不思議です。何屋さんなのかわかればいいと言うことなのでしょう。レストラン(大衆食堂)なのに魚屋?そうなんです。ここは元々は鮮魚を売る店でした。それをレストランにしたわけです。当然、魚介専門のレストランです。

"メニュー"
 メニューはキッチンの入り口の上にある黒板に書いてあります。仕入れたものによってメニューが変わることがあるわけです。パスタの類は7ユーロ、約900円。魚が高級料理のイタリアでは、魚料理で一皿900円はかなり安い値段です。


 

<ワイン>
 ダンナ様が得意そうにワインの瓶の後ろでポーズを取っています。ナポリにほど近いベネベント産の白ワインです。
 
 ラベルにこのワインの伝説が書いてあります。
「マッサ・ディ・ファキーノの高台(ALTA)では葡萄が天にも届けとばかりに実っていた。若い農夫が葡萄の取り入れに疲れて地面に横たわって眠ってしまった。睡眠が深くなった時、学者が「REM」と呼ぶ段階の時、キリストが現れた。キリストは優しく農夫の頭を撫でた。農夫が目を覚ますと、葡萄は全て刈り入れが済み、籠はどれもいっぱいになっていた。その葡萄からできたワインは至極だった。私どもは三代に渡ってこのワインを作っています。そして、この伝説を取り入れてALTA CRIREM(アルタ・クレムリ)とこのワインを呼ぶことにしました。」


<プリモ(第一の皿):パスタ>
 
<スパゲッティ・ボンゴレ>
 嬉しくて思わず祈ってしまったわけではありませんが、美味しい食事の前では嬉しくなりますね。
 
 Midoromaさんの家では、「キャンプ場のもてなし、高級レストランの味」とこのレストランを呼んでいます。「キャンプ場のもてなし」はこのように、プラスチックのお皿で提供するからです。テーブルクロスも紙です。
 
 でも、盛りに注目してください。盛りがいいだけではありません。新鮮なアサリで、お皿がテーブルに置かれるとアサリの香りが漂います。

 

<魚介のリゾット>(写真左)
 義妹の注文品です。ムール貝、アサリ、エビをトマトで煮ます。これも盛りがいいですね。
 
<メカジキのスパゲッティ>(写真右)
 息子の注文したメカジキのスパゲッティ。メカジキをほぐしてニンニクをさっと炒めたフライパンに入れて火を通し、熟した新鮮トマトを小さく切ってこれもさっと火を通します。煮込まないで、新鮮な材料の味を生かす料理法です。


<テーブルの全景>
 いかにも「キャンプ場のもてなし」を感じさせる店内装飾。
 Midoromaさんのダンナが、息子のパスタを味見しようとしているところはご愛敬。
 
 シェアとまで行きませんが、それぞれ、味見をし合いました。どれも甲乙付け難く、どれを注文しても正解でした。嬉しくて思わず祈ってしまったわけではありませんが、美味しい食事の前では嬉しくなりますね。
 
 ちなみにMidoromaさんは写真手前のスパゲッティ・ボンゴレです。


<セコンド(第二の皿)/ミックスフライ>
 
 イワシ、イカ、エビのフライです。あの盛りですから、パスタだけでお腹がいっぱいになりますが、口寂しいと言うことで定番のミックスフライを一人前取って皆でつつき合いました。 フライの下に敷いてある紙にほとんど脂が染みてませんね。カラッと揚がっていて美味でした。
 
 「ラーメン食べに行こうか」と言う気楽さで美味しい魚料理が食べられて、しあわせです。
 
 Pescheria E friggitoria Serenette
 住所:Via Giuseppe Armellini, 00071 Pomezia RM
 電話:392 109 0279