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ローマ
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ローマ皇帝ハドリアヌスの別荘ヴィラ・アドリアーナ

 ローマ近郊のチボリにある1999年登録の世界遺産ヴィッラ・アドリアーナへ行ってきました。
 ローマ帝国最盛期にハドリアヌス帝〔在位、117-38〕が池に身を投げたギリシャの美少年アンティノウスを偲んで建てた別荘です。政敵を抹殺する皇帝は、美少年にはナイーブだったようです。

 ハドリアヌス帝は建築家と芸術家の顔を持った皇帝と言われています。ローマのパンテオンもハドリアヌス帝の設計です。このヴィッラも皇帝が属州の視察旅行で印象に残った各地の特徴を、アレンジして設計したとのことです。

 別荘と言いながら規模が違います。一個の町です。もはや。兵舎があり、公衆浴場が3つもあり、劇場があり、いくつか宮殿があり、敷地全部を城壁で囲っています。ローマ帝国最盛期の富と知恵をまとめた最高傑作のヴィッラです。


 写真は、風呂好きだった皇帝が作った3つある浴場のひとつ。

 パンテオンのように丸屋根の頂上に穴をあけて光を取り入れています。この方法が、後のステンドグラスより明るいんですよね。はだけた壁が二重になっているのが見えますが、蒸気を通したところではないかと思われます。

 ローマ皇帝のこうした住居跡を眺めますと、いかに、人として享受できる限りの快楽を求めたか…とその飽くなき要求の大きさと、想像力と、それを実現してしまう力の大きさにあきれかえります。

 「人としての快楽」は食べることや性だけでなく、五感全部に及びます。 何度か行ったこのヴィッラですが、今回初めてみつけたのが、「SALA TRE ESEDRAE」三つのエクセドラの間です。半円形の休憩所が三つ、小さな中庭を囲んでます。その正面には大きな窓があって、借景。

 もう一つの建物は散策途中の休憩所とでも言ったらいいでしょうか。 やはり半円形に仕切った壁の内側に水を通して噴水を配し、その上方に窓を開けて空を臨む。噴水の脇の壁には窓を開けて借景。


 エジプトのアレクサンドリアとカノポスを結ぶ運河 を模したカノポスと呼ばれる池です。
 水のせせらぎを聞き、窓枠で切り取った庭と空を眺めながら、談笑し、ワインを楽しんでいたわけです。

 ただ整備した庭を散策する、疲れたら休むためベンチを配する…のではなく、わざと視界を遮る建物を造って、中に水をとおし、窓を開けて、内と外を融合させてしまう、それを作り出す想像力と、それを楽しむ優雅さに感心します。

 生き延びるためだけに生活していては得られない、引き出せない人間の能力です。 貴族や皇帝という一握りの人間しか享受できなかった…と言う不公平があるにせよ、人間のこうした能力を最大限に引き出せた時期を人類が持った…というのは見逃せません。

<ヴィラ・アドリアーナの眺め方>

 ヴィッラ・アドリアーナは、イタリア語が意味する「ヴィッラ」という広大な庭をもつ家で、アドリアーナの場合はほぼ小さな街の規模です。中はすべて徒歩です。一番良く残ってて、ロマンチックで有名なカノポス(Canopo e Serapeo)は入り口から縦断して一番遠いところにあります。

 アドリアーノの別荘は、入口付近はほぼ遺跡状態のものばかりであまりピンと来ないのではないかと思います。
 地図の7) の海の劇場、6)哲人の部屋、23)の3つのエセドラをもった建物は比較的よく保存されています。手短かに見る場合は、この3つのエセドラをもった建物と27)カノポスをご覧になると良いと思います。


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