ベネチアと北東イタリアの世界遺産

 海上貿易都市国家として栄え「アドリア海の女王」と呼ばれたヴェネチアを初めとして、モデナ、パドヴァ、ヴェローナといった中世に栄えた多くの都市群のある地域です。

ヴェネツィアとその潟(1987年登録):
 ヴェネツィアは、中世には海上貿易都市国家であるヴェネツィア共和国の首都として盛えた都市で、「アドリア海の女王」「水の都」「アドリア海の真珠」などの別名をもっています。ヴェネツィア湾にできた潟ラグーナの上に築かれ、運河が縦横に走っています。1987年に世界遺産として登録されています。その主な建築物は次のようです。
 
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サン・マルコ広場
 サン・マルコ広場は、ヴェネチアの守護聖人である聖マルコに由来したヴェネチアの中心の広場です。広場には、高さ約100メートルの四角い鐘楼がありエレベータで上ることができます。この鐘楼はヴェネチアの鐘楼として有名で街のシンボルとなっています。
 
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サン・マルコ大聖堂
 9世紀に、エジプトで発見された聖マルコの遺体と呼ばれるものを納めるために建築され聖堂です。サン・マルコ寺院入口の上部にある4頭の青銅馬像もコンスタンチノーブルから奪ってきた戦利品で、BC400〜200年頃の作品と言われています。なお現在飾られているのはコピーで、本物はサン・マルコ寺院内部に展示されています。
 
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ドゥカーレ宮殿
 ヴェネツィアのドゥカーレ宮殿はサン・マルコ広場にあり、共和国の総督邸兼政庁だった建造物です。8世紀に創建され、現在の形になったのは16世紀のことです。外観はゴシック風のアーチが連続し、イスラム建築の影響も見られる細やかな装飾が施されています。
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カナル・グランデの建築群
 ヴェネツィア本島の真ん中には逆S字形のカナル・グランデ(Canal Grande、大運河)がヴェネツィアの北西から南東へ、市街を2つに分けながら湾曲して流れています。何世紀もの間ゴンドラ(gondola)と呼ばれる手漕ぎ船が運河の交通手段となっていました。
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リアルト橋
 リアルト橋は、ヴェネツィアの大運河・カナル・グランデに架かる4つの橋の一つで、白い巨象」とも呼ばれています。16世紀末に現在の石造りの橋となっています。橋からの眺めも良く、ヴェネツィアの雰囲気に浸るには絶好の場所です。
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ヴィチェンツァ市街とヴェネト地方のパッラーディオのヴィッラ(1994年登録):
 15世紀に活躍した建築家アンドレーア・パッラーディオの設計したパラッツォおよびヴィッラを対象に指定された世界遺産です。パッラーディオの作品が多く残るヴィチェンツァは「パッラーディオの街」と呼ばれています。

パドヴァの植物園(オルト・ボタニコ)(1997年登録):
 ヴェネツィアの西約30kmのパドヴァにあるパドヴァ大学は、1222年に創立され、イタリアではボローニャ大学に次いで2番目に古い大学です。この大学には1545年に開設された植物園があり、世界でもっとも古い植物園として、世界遺産に登録されています。

アクイレイアの遺跡地域と総大司教座聖堂のバシリカ(1998年登録):
 イタリア北東部のアクイレイアにある世界遺産で、紀元前181年に建設された古代ローマ時代の遺跡と、1031年に建設された、中世にこの地方のキリスト教社会の中心であった大聖堂からなります。

ヴェローナ市街(2000年登録):
 円形闘技場アレーナ・ディ・ヴェローナで有名なヴェローナは、ローマ時代の遺跡や中世の街並みがよく残されています。ロメオとジュリエットの舞台となった街でもあり、ジュリエットの家と呼ばれる家も残されています。

マントヴァとサッビオネータ(2008年登録)
 マントヴァとサッビオネータはルネサンスの名家ゴンザーカ家が都市計画し作った街として知られています。 マントヴァは4世紀にわたるゴンザーガ家支配の時代に、マントヴァは王国の中心となり、豪壮な宮殿や中庭が作られました。ティツィアーノやルーベンスなどの数多くの芸術家を集め、その作品群が残されています。サッビオネータは16世紀に当時の設計思想で建設された「理想の街」で、星型の城砦の中には碁盤の目に整備されています。
 
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ドロミテ(2009年登録)(自然遺産):
 ドロミテは、イタリアのチロル地方、東アルプス山脈に属する山群で、北はリエンツァ川から西はイザルコ川とアディジェ川南はブレンタ川東はピアーヴェ川に囲まれた地域です。苦灰石 (ドロマイト) からなる苦灰岩からなり、イタリアではモンティ・パッリディ (青白い山々) とも呼ばれています。

イタリアのロンゴバルド族:権勢の足跡:
 ロンゴバルド族はゲルマン形の民族です。8世紀末にカール大帝に滅ぼされるまでロンゴバルド王国を形成し、200年以上にわたりイタリアの宏大な地域を支配していました。古代ローマやキリスト教、ビザンチン文化等の影響を受け独自の文化を産み出しています。この地域に残る教会や関連施設、装飾品が世界遺産に登録されています。