ベネチアと北東イタリアの世界遺産
海上貿易都市国家として栄え「アドリア海の女王」と呼ばれたヴェネチアを初めとして、モデナ、パドヴァ、ヴェローナといった中世に栄えた多くの都市群のある地域です。
ヴェネツィアとその潟(1987年登録):
ヴェネツィアは、中世には海上貿易都市国家であるヴェネツィア共和国の首都として盛えた都市で、「アドリア海の女王」「水の都」「アドリア海の真珠」などの別名をもっています。ヴェネツィア湾にできた潟ラグーナの上に築かれ、運河が縦横に走っています。1987年に世界遺産として登録されています。その主な建築物は次のようです。
ヴェネツィアの紹介は→こちらから
ヴェネツィア本島の真ん中には逆S字形のカナル・グランデ(Canal Grande、大運河)がヴェネツィアの北西から南東へ、市街を2つに分けながら湾曲して流れています。何世紀もの間ゴンドラ(gondola)と呼ばれる手漕ぎ船が運河の交通手段となっていました。
カナル・グランデの紹介は→こちらから
ヴィチェンツァ市街とヴェネト地方のパッラーディオのヴィッラ(1994年登録):
15世紀に活躍した建築家アンドレーア・パッラーディオの設計したパラッツォおよびヴィッラを対象に指定された世界遺産です。パッラーディオの作品が多く残るヴィチェンツァは「パッラーディオの街」と呼ばれています。
パドヴァの植物園(オルト・ボタニコ)(1997年登録):
ヴェネツィアの西約30kmのパドヴァにあるパドヴァ大学は、1222年に創立され、イタリアではボローニャ大学に次いで2番目に古い大学です。この大学には1545年に開設された植物園があり、世界でもっとも古い植物園として、世界遺産に登録されています。
アクイレイアの遺跡地域と総大司教座聖堂のバシリカ(1998年登録):
イタリア北東部のアクイレイアにある世界遺産で、紀元前181年に建設された古代ローマ時代の遺跡と、1031年に建設された、中世にこの地方のキリスト教社会の中心であった大聖堂からなります。
ヴェローナ市街(2000年登録):
円形闘技場アレーナ・ディ・ヴェローナで有名なヴェローナは、ローマ時代の遺跡や中世の街並みがよく残されています。ロメオとジュリエットの舞台となった街でもあり、ジュリエットの家と呼ばれる家も残されています。
マントヴァとサッビオネータはルネサンスの名家ゴンザーカ家が都市計画し作った街として知られています。 マントヴァは4世紀にわたるゴンザーガ家支配の時代に、マントヴァは王国の中心となり、豪壮な宮殿や中庭が作られました。ティツィアーノやルーベンスなどの数多くの芸術家を集め、その作品群が残されています。サッビオネータは16世紀に当時の設計思想で建設された「理想の街」で、星型の城砦の中には碁盤の目に整備されています。
マントヴァの紹介は→こちらから
ドロミテ(2009年登録)(自然遺産):
ドロミテは、イタリアのチロル地方、東アルプス山脈に属する山群で、北はリエンツァ川から西はイザルコ川とアディジェ川南はブレンタ川東はピアーヴェ川に囲まれた地域です。苦灰石 (ドロマイト) からなる苦灰岩からなり、イタリアではモンティ・パッリディ (青白い山々) とも呼ばれています。
イタリアのロンゴバルド族:権勢の足跡:
ロンゴバルド族はゲルマン形の民族です。8世紀末にカール大帝に滅ぼされるまでロンゴバルド王国を形成し、200年以上にわたりイタリアの宏大な地域を支配していました。古代ローマやキリスト教、ビザンチン文化等の影響を受け独自の文化を産み出しています。この地域に残る教会や関連施設、装飾品が世界遺産に登録されています。