イタリアのレストランの分類

 
目 次
1.はじめに
2.レストランの分類
3.ローマの庶民が行くフラスケッタ
4.旅の情報:主要駅のプラットフォーム入場制限
5.あとがき

1.はじめに

 クチーナ・イタリアーナの内容について、鎌倉で人気リストランテの店主で、現在は料理研究家として活躍されているH様に、様々な辛口のコメントをいただきました。その中で、「紹介している現地の店が不便な場所や高級店ばかりで……」とのお話しがありました。なるほど。。。。そうなんです。まずもって、ヨーロッパ全体でもそうだと思いますが、イタリアのおいしい店は郊外にあります。例えばミシェランの三つ星レストランはイタリアには8軒ありますが、観光客が行きやすいのは、ローマのペラゴラとフィレンツェのエノテカピンキオーリだけで、あとは不便な郊外です。ローマのイタリア人が行くのは、シーフードだったら都心から40km位はなれた空港近くのフィウミチーノという漁港になります。このようなイタリアのレストラン事情を数回に分けてお伝えします。

2.レストランの分類

<リストランテ(Ristorante)>
 いわゆるレストランです。高級レストランの多くはこの中に含まれます。ドレスコードのあるところもあります。レストランマナーに忠実で、パスタのみの食事や、お皿のシェアーもマナー違反と考えて下さい。食事時間に2時間は必要となりますので、余裕を持って、訪問ください。費用もお一人80ユーロ程度はすると思ってください。
 
<トラットリア(Trattoria)>
 リストランテよりは気軽に利用できる食堂です。ナプキンも布ではなく、紙が利用されることが多いです。ここでは、お皿のシェアーOKや、大皿料理を出してくれる店があったりします。それでも40ユーロ程度はしますので、イタリアの庶民にとって安いものではありません。でも高級レストランで廃れてきている地元の伝統料理も、トラットリアでは健在です。
<エノテカ(Enoteca)、オステリア(Osteria)>
 ワインショップであるエノテカが発展して、今では西洋居酒屋のようなところにがあります。ワインは必須アイテムになりますが.食事も採れると言うことです。オステリアはエノテカから発展した庶民的食堂です。実質本位で、格好をあまり気にしません。お腹に合わせて好きに選べるという意味で自由度が高いと言えます。
 
<ピッツェリア(Pizzeria)>
 主としてピッツァを提供する料理店。イタリアでは45000軒もあるポピュラーなものです。ピッツァ1品で完結することから、価格的に手軽な食事です。最近は、昼の営業も普通になっていますが、基本は夜の食事です。

3.ローマの庶民が行くフラスケッタ

 イタリアのどの地域でもそうなのですが、美味しいワインの産地=おいしい食事の出来る場所、といった相関関係があります。その地域の食事に合わせてワインが作られているからです。カスッテッリ・ロマーニ地域の名物は「フラスケッタ」と呼ばれる店、昔はテーブルと長椅子があって、客は家からパスタを入れた鍋をもってきてワインとパンを店で買って飲み食いしたワインを売る店だったのです。今はそれがトラットリアやオステリアになっています。
 
 その中でも、カステッリ・ロマーニにあるアリッチャの名物は子豚の丸焼きPorchetta(ポルケッタ)です。アッリッチャへ行くとは、ローマの人々に取ってポルケッタを食べにいくと同意語です。アッリッチャに行くと、ここそこにポルケッタという看板を見ることが出来ます。アッリッチャに来たら、ポルケッタを食べない訳にはいかないのです。ローマの庶民に人気の子豚の丸焼きPorchettaの街・アリッチャへは地下鉄A線の終着駅アナニーナからベッレトリ行きの郊外都市を結ぶ中距離バスで、40分ほどで行くことが出来ます。是非お試しください。
 
アッリッチャのポルケッタ→ https://www.ivc-net.co.jp/cult/kaze/252.htm

4.旅の情報: 主要駅のプラットフォーム入場制限

 2018年からテロ対策強化の一貫として、ローマのテルミニ駅、フィレンツェのサンタマリア・ノベッラ駅、ミラノの中央駅など主要駅のプラットホームに入ることができなくなりました。中に入る為には列車のチケットを提示しなければならなくなっています。ホームとの間は透明のアクリル板で仕切られており、この改札を通らねば中に入ることができません。日本と異なり、入場券は無いので、プラットホームに入れるのは、チケットを持った人だけです。今までは待ち合わせを駅にすることは普通だったのですが,これ以降駅の構内で待ち合わせするのは非常に困難になっています。

5.あとがき

 気づいてみると我々の大好きなブランドものは、大半が世界的なブランドビジネスを展開する第72回に紹介したケリング・グループのような世界的なコングロマグリットにより運営されています。世界の大半のブランドものは3大グループにより支配されていると言って過言ではありません。次回は残りの2グループ、LVMHとリシュモンのいずれもフランス生まれのコングロマグリットを紹介します。
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