ラウラが紹介する
サン・ロレンツォの手工芸アーティストとアート

「Giorgio Marano」〜ジョルジョ・マラーノ

 

 

実験的?アクセサリー〜新しくて懐かしい

Macondoの名刺には「実験的金細工工房」とあります。
店内にあるのは色ガラスのモダンなもの、銅を使ったレトロっぽいもの…いろいろです。

ウィンドウには、商品(作品)と一緒に飾られている石や枯れ木と、ジョルジョのアクセサリーが違和感がない…のは、どの材料も自然から生まれたものだと知っているからでしょうか。

 

 

 
「学校で教えてくれる事は私が知りたい事ではなかった。」

「私は15歳でどの道へ行きたいのかはっきりわかってました。
だから、美術高校へ行ったんですけど、学校で教えてくれる事は私が知りたい事ではなかった。
だから、学校を辞めて、工房へ入ったんです。年配のアーチザンの所へ。
一カ所ではなくて、いろいろな工房へはいりました。それを25歳まで続けた。 」

「自分はとても頑固なんですが、工房で修行して、それを忍耐力に変える事ができました。 」

「工房は弟子入りして技術を習う所で給料などありませんから、食べるためにガラス絵を描いてました。パブなんかのウィンドウの装飾によくあるでしょ?幸い、祖父が木工、父が鉄工だったので、なにか手で作ることは家の伝統でした。その頃、父と一緒にガラスに鉄枠のランプを作って売ったりもしました。」


 
他の職種も見て、そこから生まれたのが『ミクロ・モザイク』です。

「独立して、最初はいわゆる彫金でアクセサリーを作っていたけれど、それだけでは飽き足らなくなって、金銀銅を組み合わせるやり方も導入したんです。幸い、昔ながらの銅製品の工房にもいましたから。」

「私が金を使うのは、貴金属だからではなくて、その色味がそこに必要…だと思った時に使います。好きなのは色が変わる銅ですね。 」

「銅は直接肌に触れると毒なんですよ。だから、私は必ず銀を裏に施します。
値段を聞いて『金じゃないのに…?』と言う人もいます。私のは材料の値段ではなくて、デザインや伸縮率の違う銅と銀を組み合わせる緻密な作業、ペンダントの場合は外れにくい装置…など細かい配慮のせいなんです。
ここでお買い上げのものは、永久保証です。私の作品はどれも一点もの。見ればわかります。
仮に壊れたら、お客さんは黙って私に渡してくれればいいんです。 」

「常に新しいものを開拓して行くのが好きで、アクセサリーにこだわらず、他の職種も興味を持って見ます。そこから生まれたのが『ミクロ・モザイク』のシリーズです。
最近、これを多くやっているので『マコンド=ミクロ・モザイク』って言うレッテルを張られてますが…」

「古代のモザイクと同じ石を使ってます。製法も『オオカミの牙』と言われる、一つづつ、埋め込む方を尖らせて、模様を描くのを容易にしてます。」

 

 
デザインの刺激になるものは街中の全てですね。

「デザインの刺激になるもの?
は街中のもの全てですね。たとえば、ほら、窓から向かいのドアが見えるでしょう?アーチの上の方に鉄の装飾があるでしょう?あれにインスピレーションを受けて作った事もあります。 」

「私は自分を『地中海人』だと思ってるんです。
実際、最近、祖先の中にサラセン人がいる事がわかったばかりだし。
デザインの中に、地中海地域の伝統を生かしてます。
伝統的な技術も使ってます。エトルスコ博物館にあるのと同じ作り方を知ってる人がいて、その人に弟子入りして教えてもらいました。
だから、私の作品を『レトロ』だと言う人もいますが、懐かしく、新しい…
それでいいと思います。 」

「私の店は『実験工房』と呼んでます。
新しい材料を見つけて新しい事をやりたい。
去年から彼女のバレンティーナ(三人目の伴侶なのでそろそろ落ち着きたい!)の発案で、プラスティックと金属を使い始めてます。 」

「これ、なんでできてるか、ちょっとわからないでしょう?
ペットボトルなんです。
近所のBAR(地中海式喫茶店)が協力してくれて、面白い色のボトルがあると、とって置いてくれるんですよ。

ここからなにか作ろうと模索中です。 」


ジョルジョは最後まで「LEI」で話しました(「あなた」と呼びかける丁寧な話し方)。
すぐに「TU」(お前)になってしまう昨今の風潮からすると、 とても新鮮でエレガントでした。

学校をすぐに辞めてしまったので、話し方を知らなくて…と言ってましたが、探究心から得た知識の豊富さには感心しました。
新しいものと古いものを融合し、思いもかけない材料を混ぜ合わせて、新しくて懐かしいアクセサリーを次々と誕生させているジョルジョです。


お店は月曜から土曜まで、朝11時から午後1時
そして午後4時から午後8時オープンです。
8月後半は夏休み閉店です。

何でもない小石と金の組み合わせ→
冗談で自分のために作ったので売り物ではないそうです。

 

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サン・ロレンツォ/アーチストカード
アーチスト名
Giorgio Marano(ジョルジョ・マラーノ)
分野
アクセサリー
店の名前
Macondo
住所
Via dei Latini, 10 00185 Roma Italia
連絡先
Tel:+39-349-3507292
日本での連絡先:ivc-net@ga2.so-net.ne.jp
URL
コンピューターに無縁のお方。